研究課題/領域番号 |
21K13718
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
小浜 尚也 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (10881865)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 感情 / 感情喚起刺激 / 文化 |
研究実績の概要 |
研究協力者と定期的にミーティングを行い、研究計画の円滑な運営を行った。諸外国の感情的表情表出の研究者に連絡を取り、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、中国文化における感情喚起刺激の収集・許諾を得た。 インターネット調査による、日本文化に適した感情喚起刺激の調査を進めた。これにより、年代別の感情喚起刺激を性別に示すことが実現できる。また、被験者数を大幅に拡大し、20~60代で約600名を対象とした。得られた情報に対し頻度分析を行い、各年代で上位の感情喚起刺激を明らかにする予定である。わが国の文化に適した感情喚起刺激の検証は不足しているため、本調査により明らかとなる各年代別の感情喚起刺激は、わが国の感情研究の基礎となる情報を提供することが期待される。 健常20代10名のデータ収集の予備調査を行った。予備調査により、機材の設定の修正や必要な素材追加が明らかとなり、令和5年度の調査に反映した。特に、諸外国で示された感情喚起刺激では、日本人の感情喚起において効果的でないことが示唆された。感情の文化的依存が示唆され、わが国の文化に適応した感情研究の必要性が高まった。 感情喚起刺激に対する、主観的感情機能の評価方法を決定した。感情喚起刺激に対し、被検者は自身の感情を3つの質問項目に回答するよう設定した。この質問項目は既存研究に従い、感情の種類および強度、刺激に対する各感情語の主観的強度、刺激内容を確認する質問を設定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本文化に適した感情評価法開発に向けて、日本人の感情を適切に評価できる感情喚起刺激の調査準備を完了した。また、諸外国における感情喚起刺激の収集が完了したことで、感情喚起刺激の文化的依存性の検証の準備が完了した。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、日本文化に適応した基本7感情の感情喚起刺激の選定を完了する。具体的には、20~60代の各年代における基本7感情の感情喚起に適した刺激を性別で明らかにする。そのために、各年代100名ずつの調査を行い、頻度分析から適した感情喚起刺激を示す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により、被験者のデータ収集が予定より少なかった。そのため、令和4年度の予算を令和5年度に繰り越し、COVID-19の影響を受けないインターネット調査に変更した。令和4年度の繰り越し分を、令和5年度のインターネット調査にて使用予定である。この変更により、被験者数の増大およびより詳細な質問調査が実現し、予算も当該研究の計画通り使用できる予定である。
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