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2021 年度 実施状況報告書

ネガティブな反芻に対する脳磁気刺激とマインドフルネス訓練の組合せ介入の効果検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K13743
研究機関筑波大学

研究代表者

宮内 英里  筑波大学, システム情報系, 研究員 (40882874)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードニューロモジュレーション / TMS-EEG / rTMS / メタ認知 / 反芻
研究実績の概要

脳磁気刺激法(TMS)は、ヒトの認知機能の中核である脳リズムを非侵襲に操作することで、関連する認知・行動を変容できる可能性のある手法である。マインドフルネス訓練は、近年注目される心理的介入技法の一つで、継続的な訓練によって、メタ認知機能を促進し、ネガティブな考えにとらわれる反芻思考に対する気づきや、思考に対する反応性の低下を促進するとされる。本研究はTMSとマインドフルネス訓練を組み合わせることで、反芻思考を低減させる介入プログラムを開発することを目標としている。
今年度は、ネガティブな反芻を軽減させる脳磁気刺激の単独効果を明らかにするために、反芻思考と相反する諦め思考を、関連する脳リズムをTMSにより操作することによって促進できることを示した。本研究では、先行研究で明らかとなっていた諦め思考に関係する前頭部位を、TMSによってシータ波が増加するように刺激することで、諦めるまでの時間を早めることに成功した。健康な研究参加者を対象として、クイズを解く課題中に前頭を反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS)により刺激し、脳リズムと、諦めるまでの時間を分析した。その結果、刺激によって前頭のシータ波が増加するほど、諦めるまでの時間が早くなることが判明した。前頭のシータ波は、反芻思考の低減に重要なメタ認知機能と関連する。今年度はさらに、本結果を応用したTMSの刺激プロトコル検討ならびに反芻思考に関連する認知機能の脳リズム特定を目的とした予備的実験を行った。
次年度以降は、ネガティブな反芻思考および関連する認知機能に効果のあるTMSの刺激プロトコルの開発を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予備的研究として、反芻思考と関連する諦め思考をTMSにより促進することに成功し、その内容が国際論文誌に採択された。さらに、当該研究結果をもとに反芻思考に関係する認知機能をターゲットとするTMSの刺激プロトコルの検討を開始できた。以上のことから、本研究はおおむね順調に進捗しているといえる。

今後の研究の推進方策

2022年度は、ネガティブな反芻思考および関連する認知機能をターゲットとするTMSの刺激プロトコルの開発を進める。あわせて、反芻思考の低減ならびにメタ認知機能の促進に効果のあるマインドフルネスプログラムの開発を進め、脳リズムの特定とともに介入効果を検証する。
次年度以降は、健常者を対象にして、メタ認知機能を促進するTMSとマインドフルネス介入の組み合わせによる相乗効果を明らかにする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Behavioural effects of task-relevant neuromodulation by rTMS on giving-up2021

    • 著者名/発表者名
      Miyauchi Eri、Kawasaki Masahiro
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 11 ページ: 1-8

    • DOI

      10.1038/s41598-021-01645-0

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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