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2022 年度 実施状況報告書

ファノ多様体のチャーン指標と高階極小有理曲線族の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K13764
研究機関宇都宮大学

研究代表者

鈴木 拓  宇都宮大学, 共同教育学部, 助教 (60754885)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードファノ多様体 / チャーン指標 / 有理曲線族
研究実績の概要

本研究の目的は、ファノ多様体に付随する高階極小有理曲線族について調べることにより、r-ファノ多様体(r番目までのチャーン指標が全て正である多様体)の性質および分類を明らかにすることである。特に、「r-ファノ多様体の高階極小有理曲線族の鎖の長さ(研究A)」および「高階極小有理曲線族の長い鎖を持つファノ多様体の分類(研究B)」について研究する。
研究Aに関しては、等質空間の場合における高階極小有理曲線族の鎖の長さの計算について、やや進捗があった。特に、2022年11月に参加した国際研究集会「Rationality, Moduli Spaces, and Related Topics」において発表されたRoya Beheshtiらのr-ファノ多様体に関する最新研究結果が、本研究に応用できることが分かった。
研究Bに関しては、前年度に課題として残っていた「極小有理曲線族のピカール数と次元」に関する仮説、および、「極小有理曲線族が射影空間になるファノ多様体」に関する仮説について調べ、全ての課題を解決するには至っていないものの、本研究に応用できるいくつかの先行研究・最新研究に関する見識を深めた。また、これまでに得た研究結果(特定の条件下で、高階極小有理曲線族の長い鎖を持つファノ多様体の分類を明らかにした)について、研究発表を行った。
国内のセミナーにおいて本研究に関する講演を行った他、研究集会「第四回宇都宮代数幾何研究集会」を主催し、本研究に関する研究交流を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究Aに関しては、当初の計画通り、等質空間の場合についての高階極小有理曲線族の鎖の長さについての計算を行った。研究Bに関しては、前年度に明らかになった極小有理曲線族に関する課題について調べ、ある程度の進捗があった。また、研究発表による成果発信や研究集会の企画・運営を行い、参加者との研究交流を通して本研究に関する見識が深まった。
研究費については、研究環境の整備のための消耗品費や、国内の研究集会・セミナー等への参加のための出張費に使用し、特に後者は本研究の推進に大きく寄与した。一方で、感染症拡大の影響により、今年度予定していた海外での研究集会参加や研究打ち合わせのための出張は、断念せざるを得なくなった。

今後の研究の推進方策

当初の予定通り、研究Aに関しては一般の多様体の場合の研究を行う。r-ファノ多様体の分類や、その他の広い意味での接束の正値性に関する最新の研究結果ついても理解を深め、本研究の目的であるr-ファノ多様体における高階極小有理曲線族の鎖の長さを明らかにする。研究Bについては、極小有理曲線族についての研究結果について理解を深め、明らかになっている課題を解決する。2023年10月に行われる国際研究集会にて本研究に関する講演を予定しており、参加者との研究交流によって新たな研究推進が期待される。
研究費については、引き続き、研究環境の整備や研究集会・セミナー等への出張のために使用し、研究調査や研究発表を積極的に行いたい。

次年度使用額が生じた理由

感染症拡大の影響により、前年度および当該年度に予定していた研究集会・セミナー等への参加や研究打ち合わせのための出張を断念せざるを得なくなったため、次年度使用額が生じた。次年度の研究環境整備費および研究出張旅費として使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] ファノ多様体上の高階極小有理曲線族とその応用2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木 拓
    • 学会等名
      小山高等専門学校数学セミナー
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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