研究課題/領域番号 |
21K13795
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
瀬戸 樹 明治薬科大学, 薬学部, 講師 (90783093)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 非可換幾何学 / フラクタル / 指数定理 / 粗幾何学 |
研究実績の概要 |
完備Riemann多様体Mを2つに分割する閉部分多様体Nが定まっており,その余次元は1とする.このとき,J. Roeによって分割の情報を用いた巡回コサイクルζが導入された.Roeや私などによって,このζを用いてN上の作用素のFredholm指数を引き出す指数定理が証明されている.本研究ではこのζを次のようなフラクタルが関わる状況で一般化することを目標としている. N. Higsonによると,ζは2点コンパクト化に対応し,境界 (2点) の情報を引き出している. そこで,本研究では,複雑な境界,特にフラクタル的な構造をもつ境界によるコンパクト化を考え巡回コサイクルを定義し,境界の幾何的情報を取り出す指数定理を構築したい.そのためには,巡回コサイクルの段階的な一般化とフラクタル集合における非可換幾何学の理解が必要になる. 本年度は昨年に引き続き,丸山氏(NEC)と共同でフラクタル集合上の非可換幾何学について調べた.特に,以前丸山氏と共同で導入した,n次元立方体を基にする自己相似集合に対するFredholm作用素やその変種に注目し,Freholm作用素を用いてフラクタル集合上の非可換幾何学について研究した.今年度はn次元空間内のフラクタル集合の上にRiemann-Stieltjes積分を一般化することを目指し,その第一歩として3進Cantor集合における積分について詳しく調べた.さらに、その積分を区間内に実現された自己相似集合に対して一般化することも検討した. また,昨年までに得た成果をまとめた論文の査読が終わり, 学術雑誌に掲載された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
n次元内のフラクタルにおける解析に手間取り, 予定より時間がかかっているため.
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今後の研究の推進方策 |
解析に手間取ってはいるものの, 徐々に成果が出つつあるので, 今年度の研究を継続する.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究期間の初年度から新型コロナウイルスの影響で旅費を伴う出張を控えていたため, 次年度使用額が生じている. これらは次年度以降の旅費として利用する予定である.
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