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2022 年度 実施状況報告書

位相幾何学的グラフ理論を用いたRyser予想の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K13829
研究機関横浜国立大学

研究代表者

大野 由美子  横浜国立大学, 研究推進機構, 特任教員(助教) (40881074)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード位相幾何学的グラフ理論 / Ryser予想 / グラフ / ハイパーグラフ / グラフ彩色
研究実績の概要

本研究では、ハイパーグラフの最大マッチング数と最小頂点被覆数を、閉曲面上のグラフのface independence numberとguarding numberと呼ばれる不変量へそれぞれ翻訳し、位相幾何学的グラフ理論の知見を用いてRyser予想を解決することを目標としている。また、グラフの彩色を用いた観点からも研究を進めていく予定となっている。
2022年度は主に(1)グラフの彩色に関する諸問題と、(2)特別なグラフクラスにおけるRyser予想に関連した問題について研究を進めた。
(1)グラフの彩色に関しては、complete coloringと呼ばれる特別な彩色における予想が、キャタピラと呼ばれるグラフクラスにおいて成り立つことを示した。さらに、キャタピラでは、その予想よりも強い主張が成り立たない反例が見つかっておらず、その強い主張が成り立つのではないかと考え、研究を進めている。
(2)Ryser予想はr-partiteという条件を満たすハイパーグラフの最小頂点被覆数が、最大マッチング数のr-1倍以下であるという予想であるが、球面上の偶三角形分割と呼ばれるグラフクラスにおいては、これらの値が等しくなり、Ryser予想よりも強い主張が成り立つのではないかと予想している。そこで、まずは球面上の偶三角形分割の中でも、四角形分割の面細分によって作られるグラフに対してこの予想が成り立つかどうかについて、考察を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルスによる影響で、共同研究を行うための出張や国際研究集会への参加ができず、具体的な成果が得られていないため。

今後の研究の推進方策

基本的な方針は変えず、一般のr角形分割におけるface independence numberやguarding numberおよび彩色についての研究を引き続き進めていく。共同研究を予定している研究者とも共に議論を行い、r-partiteなハイパーグラフの言葉を位相幾何学的グラフ理論の言葉へと翻訳した理論を構築し、Ryser予想の解決を目指す。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、予定していた研究打ち合わせや国際研究集会への現地参加ができなかったため、次年度使用額が生じた。これらは2022年度に実施できなかった研究打ち合わせや研究集会参加のために、来年度の旅費などに使用予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] キャタピラのachromatic numberとpseudoachromatic numberの差について2022

    • 著者名/発表者名
      大野由美子、松本直己
    • 学会等名
      離散数学とその応用研究集会2022
  • [学会発表] Facial achromatic number of triangulations on the sphere2022

    • 著者名/発表者名
      Naoki Matsumoto, Yumiko Ohno
    • 学会等名
      Women in Mathematics
    • 国際学会
  • [学会発表] キャタピラのachromatic numberとpseudoachromatic numberの差について2022

    • 著者名/発表者名
      大野由美子、松本直己
    • 学会等名
      日本数学会2022年度秋季総合分科会

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公開日: 2023-12-25  

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