研究課題/領域番号 |
21K13831
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
野口 健太 東京理科大学, 理工学部情報科学科, 講師 (50748613)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | グラフ理論 / グラフ彩色 / 三角形分割 / 四角形分割 |
研究実績の概要 |
研究の目的である、「三角形分割」と「四角形分割」と呼ばれる曲面上のグラフの族の関係の明示的な記述および、それらのグラフの染色数を決定する手法の確立を目指し研究を行った。 研究代表者が過去に行った研究において蓄積された三角形分割グラフと四角形分割グラフに関する性質を軸としながら、部分的双対の概念とそれらの組合せを様々な角度から考察した。例えば閉曲面S上の三角形分割グラフTの全域四角形分割部分グラフQに関して、Qの2部グラフ性に関する情報がTの部分的双対とどのような関係があるかについていくつかの例を通じて考察した。直ちに何らかの良い関係が得られるわけではなく、いくつかの条件を仮定すると成り立つであろう関係の仮説を立てている段階である。Sが射影平面、トーラスなど種数の小さな閉曲面の場合に部分的な結果を得ることが直近の課題である。研究の困難さとしては、部分的双対をとる前後で一般にグラフが埋め込まれた閉曲面が異なり、元の情報が保存されにくいことが挙げられる。この点に関して過去の研究ではあまり焦点を当てておらず、研究蓄積が生かしづらいものとなっている。 情報交換の機会として、2022年2-3月に京都大学にて行われた「RIMS共同研究(グループ型A)『グラフの局所構造の制限が与える不変量への影響』」に参加した。ハイブリッド型の開催ながら対面で講演を行うことができ、議論の時間も多く確保できたため有益であった。しかしその他の研究集会はオンラインでの開催が多く、一年を通して他研究者と十分な議論を行うことができなかったと感じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
考察を開始し様々な仮説を立てるところまでは計画通り行うことができているが、具体的な成果はまだ得られていないため。当初予期していたとは言え、新型コロナウイルスによる様々な影響が研究の進行を鈍らせている。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には予定通りの推進方策をとる。 とくに射影平面上の三角形分割グラフにおける全域四角形分割部分グラフに関する研究が進展しており、その研究を中心に進めてゆく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により出張を予定していた学会・研究集会が概ねオンライン開催となり、旅費として計上していた予算を使用しなかったため。 次年度は概ね予定通りの予算使用を計画しているが、状況が許せば予定以上に積極的に出張を行い研究打合せや情報収集を行いたい。
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