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2022 年度 実施状況報告書

双直交多項式解をもつ離散可積分系系列の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K13837
研究機関福知山公立大学

研究代表者

前田 一貴  福知山公立大学, 情報学部, 講師 (80732982)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード双直交多項式 / 離散2次元戸田格子 / 五重対角行列
研究実績の概要

直交多項式には定数倍の任意性があるが,なんらかの規格化をするのが通常であり,正規化(直交定数を1にする)とモニック化(最高次係数を1にする)が典型的である.正規化すると三項間漸化式に対応する三重対角行列が対称行列になり応用上も有用であるが,付随する離散戸田格子の扱いはモニックの方が若干容易である.ただし,どちらの規格化でも出てくる離散戸田格子は本質的に同じものである.
今年度は,双直交多項式の場合の規格化の違いで出てくる離散2次元戸田格子がどう変わるか,特に(2, 2)簡約の場合を調べた.一般に(m, n)簡約と呼んでいる特殊化操作をすると(m+n+1)項間漸化式を満たす双直交多項式となり,(1, 1)簡約の場合が直交多項式そのものになる.(2, 2)簡約の場合は直交には落ちずに双直交な多項式列のペアが維持され,これに対応してモニックの場合は互いに双対な離散2次元戸田格子の簡約版2種類が得られる.次に正規化の場合を検討したところ,直交多項式の場合とは違って五項間漸化式に対応する五重対角行列は対称とはならず,少し複雑な見た目をしているが,モニックの場合に現れる2つの系が両方同時に現れるということがわかった.双対な2つの系は五重対角行列の相似変換で互いに移りあえると思うと,直感的には正規化がそのちょうど中間にあるとみなせば自然な結果であると考えられ,面白いとは思うが,今のところ数値計算への応用の道は見えておらず,もう少し研究が必要と考えている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度に上げた課題の通り,今年度は双直交多項式の簡約と対応する五重対角行列の研究を進めることができ,この課題に関連する共著論文を投稿することもできたが,他方で今度はニュートン法の可積分な類似物についての研究が止まってしまい,反省点となっている.

今後の研究の推進方策

最終年度となるため,2つの課題について結果をまとめ,論文投稿を目指す.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 正規双直交多項式と離散2次元戸田格子2022

    • 著者名/発表者名
      前田一貴
    • 学会等名
      日本応用数理学会2022年度年会
  • [学会発表] Box-ball systems and biorthogonal polynomials2022

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Maeda
    • 学会等名
      CRM Workshop on box-ball systems from integrable systems and probabilistic perspectives
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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