本研究では大幅に簡略化した磁気摩擦の模型を用いて、有限サイズ系における磁気構造と物体の運動の関係や、その摩擦力への影響を調べた。数値シミュレーション及び理論的考察の結果、物体の運動の抵抗係数γが小さい場合はstick状態とslip状態が別個な準安定状態のように分離することが確認された一方、γが大きい場合はそうした分離が起こらず、格子の運動は熱活性化過程の一種として扱えることが確認された。 この研究と並行して、統計力学模型の有限サイズ効果そのものに関する考察も行った。具体的には、長距離相互作用を持つIsing模型に関して、システムサイズが有限の場合の平均場近似からのずれを摂動論的に計算した。
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