研究課題
若手研究
本研究は価数ゆらぎとスピン揺らぎが共存する候補物質群であるYb141系に注目し、試料合成から複数のミクロ測定まで、多角的な研究を実施した。その結果、YbCu4NiとYbCu4Auの単結晶育成に成功した。YbCu4Niでは、巨大な電子比熱係数の起源はKondo disorderではなく、量子臨界性でることを決定することができた。YbCu4Auでは、二重臨界点が存在するという予想外の結果をえることができた。
強相関電子系
最近の物理学の重要なテーマである異方的超伝導やスピン液体状態は、量子揺らぎに由来する臨界現象として議論されている。そのため、新奇物性探索に新たな量子臨界性を示す物質の探索がなされ、同一物質系における異なる自由度の量子臨界現象の発現が、臨界現象の理解の深化のために注目されている。しかし、多重極限環境下で量子臨界性は出現することが多いことが、研究の障害の一つになっていた。本研究では、量子臨界性を示す物質の探索を行い、新物質を含めて複数の量子臨界物質の決定を行うことができた。