研究成果の概要 |
本研究では、モット絶縁体へのドーパント表面吸着による新奇モット転移の探索に取り組んだ。特に、アルカリ金属やC60をモット絶縁体Ca2RuO4に吸着させてその表面電子状態を光電子分光で観測することで、バルクへのキャリアドープでは到達できない金属状態が実現することを見出した。さらに、元素置換によるキャリアドープが不可能もしくはその効果が不明な強相関物質一般に対して同手法の対象を拡げて研究を展開した。その結果、Ca3Ru2O7における金属―半金属転移を抑制して新たな金属状態に到達した他、銅酸化物高温超伝導体(Pr,La,Ce)2CuO4における反強磁性相関が電子濃度に直接的な相関を持つことを示した。
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