研究課題
開発した照射欠陥輸送コードを用い、定常運転下でのダイバータバッフル部における原子空孔密度を評価した。バッフル部表面から0.5mm幅で5メッシュ分のポイントにおける温度と中性子エネルギースペクトルを評価した。続いて、PHITSコードにより中性子衝突に伴う損傷速度、及びPKA(Primary Knock-on Atom)のエネルギー分布から照射欠陥のサイズ分布を検討した。この損傷速度、サイズ分布、そして各ポイントの温度をインプットデータとして、時間経過に伴う原子空孔密度を評価した。バッフル部の、配管中心位置から深さ0.5 mmにおける、原子空孔密度の時間変化(最大100万秒 : ~0.04dpa相当)を予測した結果、結晶粒内の位置によって原子空孔密度の挙動は異なり、表面では原子空孔密度は定常に達しているが、バルク領域では依然増加傾向で、100万秒時点で原子空孔密度は0.02 at.%程度となると評価された。この原子空孔密度はバッフル表面からの深さに従って減少傾向であった。一方で、より長時間に渡る原子空孔密度評価には、時間ステップや計算の収束判定などを工夫する必要があることがわかった。シミュレーションと並行して、電子線やプロトンビーム照射により欠陥を導入した試料を調製し、陽電子寿命の変化や重水素の透過速度計測を通じて、欠陥の種類や密度、サイズに関する情報を収集した。
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Nuclear Fusion
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https://www.nifs.ac.jp/about/NIFS-NEWS/268/NIFS_News_268.html