核融合炉環境下でのトリチウム蓄積量を評価するため、タングステン中の照射欠陥蓄積量を予測するコードを開発した。本コードでは欠陥集合体の様々な輸送過程を速度論解析すると共に、集合数に応じて変化する過程については経験的物理モデルを用いて評価している。 ベンチマーク試験として、6.4 MeV鉄イオン照射及び20 MeVタングステンイオン照射をタングステンに対して行った際の原子空孔密度を予測し、その予測値と、重水素ガス曝露試料中の重水素捕獲密度の実測値と比較した。その結果、予測された原子空孔密度分布と重水素密度分布の実測値と、これら両者の比率は、文献とよく一致し、これにより本コードの妥当性を確認した。
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