研究実績の概要 |
昨年度は4本の論文を発表した。特に "Primordial black holes in peak theory with a non-Gaussian tail" (JCAP 10, 053 (2021)) および "Simulation of Primordial Black Holes with large negative non-Gaussianity" (arXiv:2202.01028 [astro-ph.CO]) では非ガウス性がある時の原始ブラックホール形成条件や、生成量を見積もる「ピーク理論」の整備を行い、初期ゆらぎの統計性を仮定した時の原始ブラックホール存在量見積もりの定式化を推し進めた。また "Statistics of coarse-grained cosmological fields in stochastic inflation" (JCAP 02, no.02, 021 (2022)) では確率形式において任意スケールで粗視化した曲率ゆらぎ、密度ゆらぎ、および圧縮関数の確率密度関数を計算する手法を定式化した。これによりインフレーション模型から原始ブラックホール量等の観測量を確率形式でつなぐ最後のピースが完成したと言える。これらの研究成果について昨年度中5件の国際会議と3件の国内会議、4件のセミナーにおいて発表を行った。うち「名古屋大学・名古屋市科学館公開オンラインセミナー」および「名大発アカデミックフラッシュ 第2報」の2件においてはアウトリーチ活動として一般講演を行なった。
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