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2021 年度 実施状況報告書

MeVガンマ線観測に向けた超小型衛星搭載検出器の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K13946
研究機関広島大学

研究代表者

内田 悠介  広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 特任助教 (70873040)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードテルル化カドミウム / CdTe/CZT / ガンマ線検出器
研究実績の概要

本研究では、半導体検出器であるテルル化カドミウム(CdTe)もしくは亜鉛テルル化カドミウム(CZT)検出器を用いた小型のガンマ線検出器を作成し、天体からのガンマ線検出を目指すものである。
本年度は宇宙環境下での検出器の放射線耐性について主に研究を進めた。CdTe検出器とCZT検出器それぞれに対して若狭湾エネルギー研究センターにて200 MeVの陽子ビームを照射した。陽子ビーム照射によりCdTeおよびCZT検出器の性能の劣化を確認した。エネルギー分解能や素子に流れるリーク電流に変化が見られた。陽子ビーム照射後から長い期間をかけて検出器性能の変化を見たところ、次第に増加したリーク電流が元の大きさへと変化していく様子が観察された。20度から-20度の範囲で温度を変化させてその性能を確認したところ、冷却することによりわずかにリーク電流が回復することもわかった。エネルギー分解能の劣化についても確認したところ、線源のピークの形状がガウシアンから変化していることを確認した。またエネルギースケールがシフトし、元のゲインよりも照射後は低い値にピーク値が現れることを発見した。これらの結果を国際学会で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年は研究計画にある宇宙環境下での性能劣化について研究を進めることができた。放射線による劣化によりエネルギー分解能の変化やリーク電流の変化がCdTeおよびCZTで異なる結果を得た。この現象の理解を進めることで、宇宙環境下でも正常に検出器が動作できるように精力的に研究を進めている。

今後の研究の推進方策

本年度得られた陽子照射による性能劣化によるエネルギーシフトについて研究を進める。検出器試作に向けて厚型CZTの性能評価を進めていく。従来の読み出しでは満足のいくエネルギー分解能や反応位置の決定ができないため、新たな読み出しや解析手法の確立を目指して研究を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

厚いCZTを海外から買い付けたが、価格の変動を受けて予算が予想よりも高くなった。そのためR3年度中に予算不足により用意できなかった読み出し回路の開発をR4年度予算と合わせて開発を進めていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] CubeSat利用に向けた200 MeV陽子によるCdTe/CZTの放射耐性について2021

    • 著者名/発表者名
      内田悠介、高橋弘充、眞武寛人、今澤遼、末岡耕平、水野恒史、深澤泰司、羽鳥聡、久米恭、水嶋慧
    • 学会等名
      日本物理学会
  • [学会発表] Investigation of low Earth orbit influence on CdTe and CdZnTe semiconductor detectors with 200MeV proton irradiation2021

    • 著者名/発表者名
      Y. Uchida H. Takahashi, H. Matake, R. Imazawa, K. Sueoka, T. Mizuno, Y. Fukazawa
    • 学会等名
      IEEE NSS MIC
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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