研究課題
中性子星合体に至る二重中性子星近接連星を形成すると考えられているウルトラ-ストリップト超新星(外層のほとんど剥がされた状態で爆発する超新星)と、ウルトラ-ストリップト超新星と似た観測的性質を持つと予測された白色矮星の表層爆発をどのように観測的に区別できるかの検討を進めた。この結果、ウルトラ-ストリップト超新星の親星は爆発直前に大規模な質量放出を行う場合があることが近年指摘され、これが両者を区別する大きな鍵となることが判明した。白色矮星の表層爆発では爆発直前に別の爆発を起こすことは難しい。ウルトラ-ストリップト超新星の場合は爆発直前の親星中で核状に起こる爆発的核反応が親星の薄い表層を押し上げることができる。この結果、非常に高密度の星周物質が爆発直前のウルトラ-ストリップト超新星親星に存在し、爆発噴出物はこの星周物質に衝突する。この衝突により強い衝撃波が発生し、超新星の観測量に大きな影響を与える可能性がある。そしてこの高密度星周物質の兆候を捉えることで、ウルトラ-ストリップト超新星と白色矮星の表層爆発を区別できる可能性があることが明らかになった。今後、高密度星周物質のウルトラ-ストリップト超新星観測量への影響を精査し、どのような観測的特徴を捉えればウルトラ-ストリップト超新星と白色矮星の表層爆発の区別が可能となるかを超新星の光度曲線やスペクトルの理論モデリングを通して明らかにする。また、この結果を実際の観測と比べることで、ウルトラ-ストリップト超新星と白色矮星の表層爆発の区別を試みる。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通り、ウルトラ-ストリップト超新星と白色矮星の表層爆発の区別の道筋を立てた。
ウルトラ-ストリップト超新星の観測量への高密度星周物質の影響を調べていく。
コロナウイルス感染症による渡航制限のため、招聘予定の外国人研究者を招聘できなかった。2023年度中に招聘する予定である。
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