研究課題
本研究は重力波で観測され始めている中性子星合体に至る二重中性子星近接連星を形成すると考えられているウルトラ-ストリップト超新星(ultra-stripped超新星、外層がほとんど剥がされた状態で爆発する超新星)と、ウルトラ-ストリップト超新星とよく似た観測的性質を持つと予測された白色矮星の表層爆発による超新星を区別する方法を確立し、特にウルトラ-ストリップト超新星に特有の観測的性質を明らかにすることで、ウルトラ-ストリップト超新星を同定することが目的である。本研究では、ウルトラ-ストリップト超新星の親星が爆発の直前の数十日間に親星表面付近での燃焼殻での強い核燃焼により大規模な質量放出を行うことがあることに着目した。このような爆発直前の核燃焼による大規模な質量放出は白色矮星からの超新星では起こるとは考えられないため、この大規模な質量放出の結果形成される星周物質が超新星に与える影響を明らかにすることでウルトラ-ストリップト超新星の区別が可能であることを明らかにした。特に最終年度には実際に強い核燃焼の結果形成される星周物質の性質をウルトラ-ストリップト超新星の親星モデルに基づいて推定し、その星周物質中でウルトラ-ストリップト超新星が発生した場合の観測的特徴を数値的に求めた。この結果、星周物質の影響により光度曲線の時間発展が非常に早くなることあることが明らかになった。このような星周物質の影響により光度曲線の発展が早くなる超新星はIbn型超新星やIcn型超新星として知られており、白色矮星の表面爆発では説明の難しいIbn型超新星やIcn型超新星の起源としてウルトラ-ストリップト超新星が考えられることを明らかにした。
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 12件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 14件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
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