テラヘルツ波を用いた惑星大気観測は、昼夜でのパッシブ観測、高空間・周波数分解能での測定が可能である。得られた観測スペクトルの解析には放射伝達モデルが必要であり、その精度は分光パラメータの精度にも依存している。本研究では、テラヘルツ波送受信機を用いた220-500GHz帯におけるガス分光システムの構築を完了し、高精度な周波数分解能と簡易なバンド幅設定を可能にした。また、火星大気に対しての電磁波伝搬モデルと逆解析アルゴリズムの開発を完了し、観測スペクトルから、実験室で取得された吸収強度及び圧力幅パラメータ等を用いて大気鉛直プロファイルの導出及びその鉛直分解能や誤差評価を可能にした。
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