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2021 年度 実施状況報告書

量子化学計算を用いた近赤外光を利用して水を酸化する光合成色素の探索

研究課題

研究課題/領域番号 21K13988
研究機関大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究

研究代表者

小松 勇  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, アストロバイオロジーセンター, 特任研究員 (20769757)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードアストロバイオロジー / 光合成色素 / 量子化学計算 / 太陽系外惑星
研究実績の概要

太陽系外惑星における生命検出として光合成由来の分光学的な同定が期待されている。レッドエッジと呼ばれる地表の植生の分光学的特徴を決めるのはクロロフィルなどの光合成色素である。観測ターゲットである太陽より近赤外光が卓越するM型星周りのハビタブル惑星において、光合成の痕跡がどう観測され得るのか、どのような色素分子を持ち得るかはわかっていない。そこで、第一原理計算を用いて、より長波長の光を吸収する分子が既存の光合成色素のように水を酸化する能力などを持ちうるかを評価して、光合成色素の長波長限界の理論的な更新を目指す。また、近赤外光を有効利用する分子は医療分野やエネルギー・環境分野でも待望されており、複数分野間での知見や技術の往来も期待する。
本年度は、様々な光合成色素や人工色素の単量体に対して、量子化学プログラムGaussianを用いた密度汎関数法、さらに、多体摂動論を扱うプログラムMOLGWを用いてBethe-Salpeter方程式(BSE)に基づいて、電子基底・励起状態の物性を推定した。まずは、クロロフィル、バクテリオクロロフィルの光合成色素やナフタロシアニンなどの分子に対して、基底関数など、手法による精度・計算コストを比較した。まず、主だった光吸収帯のエネルギーを算出し、BSE法を用いると概ね実験値との誤差が100meV以内の非常に良い一致が見られることを確認した。さらに酸化還元力の推定としてHOMO・LUMOのエネルギーも評価・比較した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度では、色素分子などに対して良く物性を推定でき、手法による精度・計算コストの傾向を押さえることができた。

今後の研究の推進方策

引き続き対象分子単量体の物性の詳細な評価・比較を継続しつつ、QM/MMなどによって溶媒や2量体化による物性値の変動を押さえておく。

次年度使用額が生じた理由

本年度の助成金は主としてマウントラックサーバーの購入に充てた。残額は次年度以降コロナ禍の状況が改善されれば学会の参加費等に充てる予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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