山体内部に発達する火山熱水系は,発生頻度が高く突発的な水蒸気噴火およびマグマ水蒸気噴火の発生場となるが,その物質科学的特性や時空間変化は未詳である.本研究では,最近数千年間で水蒸気噴火,マグマ水蒸気噴火,マグマ噴火をそれぞれ異なる頻度で繰り返す,蔵王火山,吾妻火山,安達太良火山に着目する. 噴出物の地層層序構築に基づき,水蒸気噴火およびマグマ水蒸気噴火とマグマ噴火における活動遷移過程を復元し,噴火発生場となる火山熱水系の状態を決定した.そして,事例比較により火山熱水系の普遍性および差異を見出し,火山システムにおける火山熱水系の位置づけを明確にすることができた.
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