日本列島を含めたアジア大陸東縁部は、過去約5億年間にわたる海洋プレートの沈み込みによる太平洋型造山運動によって形成された付加体や低温高圧型変成体、花崗岩バソリスによって特徴付けられる。しかし、時代の古い花崗岩記録ほど、風化浸食作用によって失われてしまっており、当時の火成活動史やテクトニクスを推定することは難しい。 そこで、本研究では、日本列島基盤岩を構成する顕生代付加体の砕屑性ジルコンに着目し、その複合化学分析から、約5億年間にわたる付加体形成年代の制約と、かつて上部大陸地殻を構成していた花崗岩バソリスの形成・消滅史の推定を行った。
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