巨大地震とそれに伴う地すべりや津波の再来周期を把握することは,将来起こり得る自然災害の被害を軽減するために重要である.自然災害によって移動した巨礫は景観として印象的なだけでなく,過去の災害の危険性を現代に伝承する貴重な試料だと考えられている.この巨礫がいつ・何回移動したのかというシンプルでありながら,これまでの技術では解消できなかった課題に,地磁気を用いた年代測定技術を用いて取り組んだ.この手法は,これまで石灰岩を用いた研究での成功例が多かったものの,他の岩石種を用いた場合には失敗するケースが報告されていた.そこで,本研究ではこの課題の解決を図り,解決策を提案した.
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