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2023 年度 実施状況報告書

固体地球応答モデルを用いた中新世温暖期の南極氷床変動に伴う海水準変動の評価

研究課題

研究課題/領域番号 21K14016
研究機関京都大学

研究代表者

入江 芳矢  京都大学, 理学研究科, 研究員 (30881015)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード中新世温暖期 / 海水準変動 / GIA / ダイナミックトポグラフィー
研究実績の概要

約1700-1400万年前の中新世温暖期は気温が現在より3-4°C高かったと推定されている。当時の南極氷床変動史を復元することは、近年の地球温暖化により加速している氷床融解の将来予測のために重要である。本研究では、GIA(氷床変動に伴う固体地球の粘弾性応答)の数値シミュレーションを用いて、中新世温暖期における相対的海水準変動を再現し、世界各地のシークエンス層序学に基づく相対的海水準変動の観測データと比較することで、中新世温暖期の氷床変動史を復元することを目的とする。
当該年度は、(i)シークエンス層序学に基づく相対的海水準変動のデータベース構築に向けた文献調査、(ii)マントル対流に起因するダイナミックトポグラフィーの計算プログラム開発、を実施した。
(i)について、ニュージャージーとオーストラリア北西部において、中心温暖期の連続した海水準変動のデータが得られている。これら2地点は、当時氷床が存在していた南極からの距離が大きく異なる。GIAに起因する相対的海水準変動は氷床域からの距離に応じて複雑な空間パターンを示すため、2地点の比較はGIAのシグナルを捉える上でで重要になると考えられる。
(ii)について、ニュージャージーとオーストラリア北西部において、100万年を超える時間スケールを対象とした相対的海水準変動を評価する上で、GIAによる影響だけでなくマントル対流に起因するダイナミックトポグラフィーの影響が重要であることが判明した。そこで、ダイナミックトポグラフィーによる影響も含めた海水準変動の数値シミュレーションに向けて、マントルの瞬間的流れ場モデルの計算コードの開発を行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当該年度は、当初の計画に加えて、マントル対流に起因するダイナミックトポグラフィーのモデル開発を実施した。これにより、当初計画していた、GIAの広範囲なパラメータ領域での計算の展開の実施がやや遅れている。

今後の研究の推進方策

GIA の数値モデルを用いた中新世温暖期の相対的海水準変動の再現、氷床変動史に関する広範囲なパラメータ領域での計算の展開、を実施する。さらに、当該年度に開発を行なったダイナミックトポグラフィーの数値モデルと組み合わせて、シークエンス層序学に基づく相対的海水準変動の観測データと比較する。これらの研究成果を取りまとめ国際誌へ投稿する。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた国際誌への投稿が間に合わなかったため、次年度に論文校閲費と投稿費として使用する計画である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Sensitivity of Antarctic GIA correction for GRACE data to viscoelastic Earth structure2023

    • 著者名/発表者名
      Irie, Y., Okuno, J.
    • 学会等名
      EGU General Assembly 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] Degree dependence of Antarctic GIA correction for GRACE data2023

    • 著者名/発表者名
      Irie, Y., Okuno, J.
    • 学会等名
      28th IUGG General Assembly
    • 国際学会
  • [学会発表] Exploring glacial isostatic adjustment associated with climate events in Earth history2023

    • 著者名/発表者名
      入江芳矢
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2023年大会
    • 招待講演
  • [学会発表] GIA の長波長成分が南極質量収支推定に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      入江芳矢, 奥野淳一
    • 学会等名
      日本測地学会第140回講演会

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公開日: 2024-12-25  

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