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2021 年度 実施状況報告書

南大洋の珪藻F. kerguelensisの形態に注目した古環境指標の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21K14030
研究機関筑波大学

研究代表者

加藤 悠爾  筑波大学, 生命環境系, 特任助教 (80863406)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード珪藻 / 南大洋 / 形態解析
研究実績の概要

2021年度は,南大洋インド洋セクターにおける一連の研究航海(白鳳丸KH-19-1やKH-20-1など)で採取された海水プランクトン試料・表層堆積物試料のサブサンプリング・試料処理を進めた.海水プランクトン試料については予察的な分析を行い,ターゲットのタクサであるF. kerguelensisの多産出を確認するとともに,珪藻殻の形態解析の体制も整えた.
また,珪藻殻酸素同位体比分析の前処理法(円盤型珪藻の分離手法)の確立に貢献し,国際誌に共著論文を発表した.さらに,この手法を改良し,任意の様々な珪藻種(Thalassiosira属, Fragilariopsis属, Eucampia属, Rhizosolenia属, Thalassiothrix属)を大量かつ効率的に分離・濃集する技術を開発した.現在,本成果についても国際誌論文として取りまとめているところである.本手法を用いることによって,F. kerguelensisの産出量が少ない試料においても,本研究課題で行おうとしている形態解析が可能となる.例えば,低緯度側の珪藻含有量が少ない海水・堆積物試料にこの手法を用いることで,F. kerguelensisの形態解析の研究を効率化できると期待できる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

所属機関の異動やコロナ禍による制約など要因もあり,2021年度中に予定していた現生海水プランクトン試料を対象とした定量分析は途上であるが,異動先での分析体制が整備や試料の前処理が完了しているため,今後の研究遂行に大きな支障はない.

今後の研究の推進方策

2022年度は,南大洋インド洋セクターの現生海水プランクトン試料および表層堆積物試料の分析を進める.すなわち,F. kerguelensisの形態差や各モルフォタイプの地理分布の解明,及び,水温・塩分等の環境パラメータとの比較(F. kerguelensisの形態変化の制限要因を検討)を通じて,F. kerguelensisの形態の古環境指標としての有用性を議論する.なお,2023年度以降については,自身が乗船したIODP Exp. 382航海で得たコア試料(南大洋の別海域で採取されたもの)分析対象に加えることを検討する.

次年度使用額が生じた理由

年度の途中での所属機関の異動およびコロナ禍で出張が制限されたことなどの要因で,執行計画に一部変更が生じた.翌年度においては,現所属機関に配備されていない凍結乾燥機(異動前の所属機関には配備されていて購入の必要がなかった)などの機器を導入する予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Purification of disc-shaped diatoms from the Southern Ocean sediment by a cell sorter to obtain an accurate oxygen isotope record2021

    • 著者名/発表者名
      Ijiri, A., Izumi, T., Morono, Y., Kato, Y., Terada, T., Ikehara, M.
    • 雑誌名

      ACS Earth and Space Chemistry

      巻: 5 ページ: 2792-2806

    • DOI

      10.1021/acsearthspacechem.1c00201

    • 査読あり
  • [学会発表] Purification of disc-shaped diatoms from Southern Ocean sediment by cell sorter and their oxygen isotope analysis2021

    • 著者名/発表者名
      Ijiri, A., Izumi, T., Morono, Y., Kato, Y., Terada, T., Ikehara, M.
    • 学会等名
      AGU Fall Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] セルソーターを用いた中心型珪殻の完全分離による珪藻殻酸素同位体指標の高精度化2021

    • 著者名/発表者名
      井尻 暁,泉 孟,諸野 祐樹,加藤 悠爾,寺田武志,池原 実
    • 学会等名
      2021年度日本地球化学会第68回年会
  • [学会発表] ルソーターを用いた海底堆積物中に産する珪藻化石のタクサごとの分離2021

    • 著者名/発表者名
      加藤 悠爾,諸野 祐樹,井尻 暁,寺田 武志,池原 実
    • 学会等名
      日本珪藻学会第41回研究集会

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公開日: 2022-12-28  

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