Al-Zn-Mg合金の高強度化において水素脆化の克服が課題となっている。具体的な克服方法として、本研究では金属間化合物粒子の分散を提案した。放射光3D/4D破壊挙動解析および水素分布解析を駆使し、粒子分散によるAl-Zn-Mg合金の高強度化・高延性化に挑戦した。 主な金属間化合物粒子として、Al7Cu2Fe粒子およびMn系粒子を選定した。研究の結果、Mn添加合金では、内部水素トラップ能が高いMn系分散粒子が形成され、水素脆性が抑制されることを実験・計算の両面で実証できた。Mn系粒子は、Al7Cu2Feよりも微細に形態制御可能であることから、合金の力学特性改善に資する粒子として強く期待できる。
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