研究課題/領域番号 |
21K14050
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研究機関 | 久留米工業高等専門学校 |
研究代表者 |
佐々木 大輔 久留米工業高等専門学校, 材料システム工学科, 助教 (50772498)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | き裂 / 補修 / 金属微粒子 / パルス通電焼結 / 界面強度 |
研究実績の概要 |
本研究では,プラズマ・粒子補修法の延命効果の向上を大きな目的とする.そのために,プラズマ・粒子補修法を用いて補修を行い,保持時間や焼結温度を変化させた際の,界面強度および破面形成に補修が及ぼす影響を調査した.試験材料にはSS400を用いた.CT試験片を模擬した試験片に鉄微粒子と炭素粉末の混合粉末を充填し,パルス通電焼結を行なった.焼結により,模擬き裂内に焼結物を作成したのち,組織観察,引張試験を行なった. まずは保持温度を700度,昇温速度を0.5度/secで一定とした.焼結時間を実験パラメータとして変更した.焼結後,光学顕微鏡と電子顕微鏡を用いて観察を行なった.実験の結果,焼結時間を長くすることで,焼結が進行することが確認された.一方で30分を超えた場合は,焼結物,介在物の分布,界面状態に変化がないことが確認された.焼結体中には炭化物が確認された. 次に,保持時間を5分,昇温速度を0.5度/secで一定とし,保持温度を実験パラメータとして変更した.焼結後,引張試験をおこなった.クロスヘッドスピードは0.6mm/minである.引張試験では,充填し焼結後,試験片を板状に切り出した試験片を用いた.保持温度を高くすることで,引張強度と破断のびが上昇することが確認された.900度で保持された試験片の破面には,700度で確認されなかったディンプルが確認された.また700度の破面には多数焼結前の粒子と同じサイズの粒子が観察された.また,同じ試験片においても,模擬き裂部のき裂先端近傍とき裂先端から離れた場所のどこから試験片を切り出すかよって界面強度が異なることが確認された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画に記載した実験が完了したため.
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今後の研究の推進方策 |
本研究では,模擬き裂を有する試験片に金属粉末を充填し,放電プラズマ焼結することでき裂内部に焼結体を形成するプラズマ・粒子補修法を用いて補修を行った.その界面強度に大きな影響を与えると考える温度分布を有限要素法を用いて可視化する.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナに伴いオンライン会議の実施となり,その分旅費宿泊費が浮いたため差額が生じた.今後の使用計画は,材料費など消耗品ならびに学会参加に携わる費用として使用を計画している.
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