研究実績の概要 |
微細な表面構造によって発現する反射特性や濡れ性などの様々な特性は,微細加工・微細計測,バイオなど様々な分野で活用されている.特に,マイクロメート ルスケール,サブマイクロメートルスケールという二つの異なるサイズ領域の微細構造を併せ持つマルチスケール構造は,その複雑な形状によってより高度な機 能を実現できると期待されている.本研究では,超短パルスレーザ加工を代表とする微細加工技術によって作製されるマルチスケール構造について,その形状な どを光学計測法によってインプロセスに評価する方法の開発を目指している.本年度は,以下の項目について研究を行った. (1)前年度に提案した,マルチスケール構造形状評価法について,数値解析による形状復元精度解析を行った.本手法は,光学応答の位相から復元される形状が部分的に形状を反映していることを利用して,長波長計測によるμスケール形状復元結果を基準に,角度走査計測によって得られるマルチスケール形状について形状を正確に反映している部分のみを抽出してスティッチングする方法で,本年度は角度走査によって0.05-0.15マイクロメートル程度の形状推定誤差で形状復元できることを検証した. (2)マイクロ周期構造の一括計測法の検証:マルチスケール構造計測における基準となるμスケール構造について,従来の干渉法ではなく,非走査で大面積を一括計測可能な計測手法を提案した.これは平面波を周期構造に入射した際の反射光角度が形状の表面角度に対応することを利用した手法で,反射光角度から得た傾斜角度情報を集積することで形状復元が可能となる手法である.
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