• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

域差・時間差強制潤滑法によるハイドロフォーミングの自在板厚制御

研究課題

研究課題/領域番号 21K14058
研究機関東海大学

研究代表者

窪田 紘明  東海大学, 工学部, 講師 (30845920)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワード強制潤滑 / ハイドロハイドロフォーミング / 摩擦低減
研究実績の概要

ハイドロフォーミングでは,金型と管の間に摩擦が発生する.そのため,肉厚偏差が発生し割れが生じることがある.そこで,金型と管の間に高圧の潤滑剤を供給する強制潤滑技術を開発した.実験には直径50.8 mm,長さ300 mm,厚さ1.2 mmの機械構造用炭素鋼鋼管(JIS:STKM11A)を使用した.金型はこの実験のために特別に設計されたものである.キャビティの形状は以下の通りである.成形領域の長さは140 mm,コーナーの半径は5 mmである.管の端部の軸押しは行わなかった.潤滑剤供給口は直径3 mmのものを金型内の平坦部の中央に配置した.また,コーナー部には4つの潤滑剤吐出口を設けた.本研究では無潤滑法(従来法)と強制潤滑法(提案法)の2種類の実験を行った.内圧は手動操作でほぼ直線的に上昇させた.潤滑剤の供給ポンプはポンプの最大能力に設定した.実験の結果,潤滑剤の圧力は内圧によって制御されることがわかった.そして,加工中も高い圧力が維持された.
従来法では金型と管の接触部では摩擦により肉厚が変化せず,管が不均一に変形した.また,成形後期にはコーナー部付近で管が割れた.提案法では金型と管の接触部分の厚みを減じることができた.一方,コーナー部付近の肉厚減少は抑制された.つまり,強制潤滑はコーナー部への材料流動を促進し,成形性を向上させることができる.さらに強制潤滑の効果は潤滑剤供給口付近だけでなく広い範囲に及んでいた.このことは本技術が長尺管に適用できる可能性を示している.
提案法の摩擦係数の推定と変形機構を調べるために有限要素法解析を実施した.その結果,摩擦係数が大幅に低減されていることがわかった.また管と金型の接触面圧を調査し,潤滑剤が広範囲に拡散する理由を明らかにした.本検討により実部品の成形プロセス設計を可能とする基礎的知見を得ることができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「強制潤滑ハイドロフォーミングの開発」「潤滑効果の実証」「現象解明」が完了した.また「有限要素法解析による工程設計技術の開発」に着手している.以上は当初計画した研究開発日程通りである.

今後の研究の推進方策

2022年度は「有限要素法解析による工程設計技術の開発」を継続する.また,2021年度に設計製作を行った圧力制御装置を用いて,時間差潤滑技術の検討を行う.さらに,部位によって潤滑状態を変える域差潤滑技術の検討を行う.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] 強制潤滑を用いたハイドロフォーミングにおける成形特性の検討2022

    • 著者名/発表者名
      天野由紀子,三上拓徒,吉田一也,窪田紘明
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会 2022年春季講演大会
  • [学会発表] ハイドロフォーミングにおける強制潤滑技術の開発2021

    • 著者名/発表者名
      窪田紘明,三上拓徒,吉田一也
    • 学会等名
      第72回塑性加工連合講演会
  • [産業財産権] ハイドロフォーミングによる加工方法、金型、金型モジュールおよびハイドロフォーミングの加工装置2021

    • 発明者名
      窪田紘明,三上拓徒
    • 権利者名
      学校法人東海大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2021-143672

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi