研究課題/領域番号 |
21K14060
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 福岡大学 (2022-2023) 神奈川大学 (2021) |
研究代表者 |
松本 紘宜 福岡大学, 工学部, 助教 (50850070)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 射出オーバーモールド成形 / 炭素繊維強化熱可塑性樹脂 / 接合強度 / カーボンナノチューブ / 伝熱 / 結晶化度 |
研究成果の概要 |
射出オーバーモールド成形は異なる樹脂を融着接合させるために接合強度の信頼性が課題となっている.そこで,接合界面をナノ繊維で直接補強することを試み,ナノ繊維の接合強度発現メカニズムを明らかにすることを目的とした.本研究では,融着接合時のカーボンナノチューブ(CNT)の添加がポリプロピレン(PP)の結晶融解挙動と接合強度に与える影響について議論した.その結果,インサート基材を急冷することで,接合界面のPPの結晶化度を減少させることができ,接合強度が大幅に向上することが示された.一方で,インサート基材成形時の冷却速度に依存せず,同等のCNTの補強効果を得ることが出来ることが示された.
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自由記述の分野 |
プラスチック成形加工
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで射出オーバーモールド成形の接合強度の発現には,圧力や温度等のパラメーターを中心に考察が進められてきた.本研究は新たに接合部の樹脂の結晶化度に着目し,結晶化度の低下が接合強度の向上に大きく寄与できる事を示した.また,結晶化度に寄らずCNTの接合部の補強効果が得られる事が示された.本研究成果を踏まえ,射出オーバーモールド成形において,接合界面部にナノ繊維を配置することで信頼性の高い接合強度の発現が可能となる.これらの成形部材はモビリティの軽量化が可能となり,二酸化炭素の排出量削減等に大きく貢献できる.
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