研究課題/領域番号 |
21K14072
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
川嶋 大介 千葉大学, 大学院工学研究院, 日本学術振興会特別研究員(PD) (10813785)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 電気トモグラフィ / 誘電回転 / 細胞イメージング / 逆問題解析 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、電気インピーダンス・誘電回転トモグラフィ(EIeRT)の開発を目的としており、2021年度は、本研究課題の1年目にあたる。本年度では、「細胞の回転制御技術(ERC)の開発」に関する研究開発を実施した。具体的な内容は以下の通りである。 EIeRT センサを作製した。石英基板に金を真空蒸着させることで実装した8つの電極で構成した。これらの8電極は、同心円状等間隔に配置されており、対向する電極間隔は約50マイクロメートルとした。8電極のうち、4つを電気インピーダンス計測用の電極として使用し、残りの4つを誘電回転のための回転電場印加用電極とすることでEIeRTセンサを担うことができる。 EIeRT実験用のシステム構成の詳細として、EIeRTセンサの直行する4つの電極にファンクションジェネレータを接続し、90度ずつ位相の異なる電場を同時に印加することで誘電回転電場を形成でき、電場強度および印加電場の周波数を制御パラメータとして回転電場の制御システムを実現した。また、誘電回転電場制御用の電極を除いた残りの4つの電極を利用し、マルチプレクサにより計測電極対をスイッチングすることで、細胞回転中に複数電極対パターンの電気インピーダンス計測するシステムを実現した。 また、回転する対象(細胞)における電気トモグラフィの画像再構成アルゴリズムを検討した。対象が回転するため、電極位置と対象との相対位置を考慮した感度行列の作成と、逆問題解法のアルゴリズムについて検討を行い、電界シミュレーションにより再構成画像の精度について検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
EIeRTの基本コンセプトであるセンサ設計および実験システムの構築がすでに完了しており、次年度実施予定の実験準備が整っている状態であるため。
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今後の研究の推進方策 |
実験によりEIeRTの検証を行い、誘電回転中の細胞の空間的な変位に応じたインピーダンスシグナルを計測することが目標となる。その後、複数電極対を利用したトモグラフィック計測による画像化を検討する。
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