研究課題/領域番号 |
21K14074
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高牟禮 光太郎 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 助教 (80847335)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | エアカーテン / NACA翼 / 切断翼 / カムテール / コーダトロンカ / ポテンシャルコア / ブースト効果 / 直接数値計算 |
研究実績の概要 |
本年度の前半では,数値シミュレーションを用いた縮流ダクトの最適化を実施した.本数値シミュレーションは,独自に開発した直接数値シミュレーションのコードを用いた.後縁が切断された翼(すなわち切断翼)は埋め込み境界法を適用することで,翼形状を再現した.一様流中に切断翼を配置して,翼の後流の流動特性を調査した.翼のパラメータとして,最大翼厚,切断幅,最大翼厚位置,翼弦長を変化させた時に,翼後方の流れの合流地点,運動量の増大(ブースト)効果,合流後の流れの安定性(速度変動,ポテンシャルコアの幅)についてそれぞれ調査した.本数値シミュレーションにより,縮流ダクト内部に搭載する切断翼はNACA0036翼の後端から75%-85%の位置で切断することがポテンシャルコアの延伸に効果的であることが明らかとなった.さらに,このポテンシャルコアの延伸は,切断翼の後流に見られる負圧領域に引き寄せられる流れの周流が関係していることを明らかにした.これらの予備調査を経て,年度後半では最適化された切断翼を二次元風洞の気流吹出部に設置して,熱線流速計を用いた気流の流速測定を実施した.調査の結果,実験からも切断翼を挿入したエアカーテンのポテンシャルコアは,切断翼を挿入しない場合と比べ,より延伸することが明らかとなった. 令和4年度は,本エアカーテン気流を粒子画像流速測定法を用いて計測し,流れ場の空間的な構造を把握する.この結果を基に,吸込気流と吹出気流の両方を備えたエアカーテン生成装置を製作し,エアカーテン装置の基礎特性を計測する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の研究計画では,2021年度は数値シミュレーションによって,エアカーテンのポテンシャルコアの延伸に効果的な翼形状を明らかにするところまでが計画されていた.しかし,実際には当初の研究計画に加え,2022年度に予定していた実験による検証に移行することができており,研究計画を前倒しで進めることができた.以上より,当初の計画以上に進展しているものと考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は,引き続き風洞を用いたエアカーテン気流の生成実験を実施する.昨年度は熱線流速計による単点計測が主であったが,2022年度からは粒子画像流速測定法による画像解析を用いて,流れ場の空間構造の把握に努める.上記の研究から得られた知見を基に,吸込気流と吹出気流の両方を備えたエアカーテン生成装置を製作し,この装置の基礎特性を計測する.加えて,製作したエアカーテン生成装置のエアロゾルの遮断効果を検証するために,疑似エアロゾル発生装置の開発を進める.
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