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2021 年度 実施状況報告書

電気流体力学コンダクションポンピングのスケール効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K14075
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

西川原 理仁  豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50757367)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード電気流体力学 / 絶縁性液体 / マイクロフルイディクス / 解離イオン / ヘテロチャージ層 / 高電界 / MEMS / ポンプ
研究実績の概要

本研究の目的は、電気流体力学(EHD)コンダクションポンプにおけるスケール効果を明
らかにすることである。相似形状で異なるサイズスケールを有するポンプを製作、ポンプ性能を評価しスケールの影響を調査し、また電気流体連成シミュレーションによって電極近傍に形成されるヘテロチャージ層へのスケールの影響を明らかにする。
本年度はMEMSを利用して5~500μmの範囲でスケールの異なる相似形状の電極を製作し発生圧力を調べた。また電気流体連成モデルを構築し実験と同じ範囲でシミュレーションを行った。逆極性の電極近傍に形成される解離イオンで構成されるヘテロチャージ層はスケールが小さくなるにつれて相対的に大きくなることが分かった。スケールが小さくなると両ヘテロチャージ層のオーバーラップが観測され、平行平板電極を用いた先行研究(P. A. Vazquez et al. 2019)と同様の結果が得られた。さらに本研究のポンプとして機能する非対称構成の電極では、スケールが小さくなるとヘテロチャージ層の非対称性が失われることが明らかになった。そのため従来のように電極を非対称性に設計しても流動の源であるクーロン力は流れ方向に支配的にはならないようになる。すなわち小さなスケールではそのような現象を考慮した設計が必要であるということが本研究で分かった重要な成果である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本テーマの主な目的であるスケール効果を明らかにし、それがヘテロチャージ層によるものであると判明した。さらに数μm以下でのポンプ開発における需要な課題であるヘテロチャージ層の非対称性の喪失を明らかにしたから。これによって今後小さいスケールでのポンプ設計の指針を検討することが可能になった。

今後の研究の推進方策

今後は正味の流れがある状況で調査を行う。引き続きMEMSを利用し電極を製作し流体ループでポンプ特性(発生圧力および流量)を評価する。また電気流体連成シミュレーションによって正味の流れがある状況でのスケール効果を調査する。
さらに導電率測定装置を構築し様々な液体で調査するために必要な物性を計測する。

次年度使用額が生じた理由

対面で想定していた学会がリモートになったため差額が生じた。本年度の導電率計測、ポンプ特性計測、対面での学会参加において使用予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 電気流体力学コンダクションポンプ特性におけるスケール効果2022

    • 著者名/発表者名
      岡田光太朗,西川原理仁,横山博史,柳田秀記
    • 学会等名
      日本設計工学会東海支部令和3年度研究発表講演会
  • [学会発表] Manufacturing and Evaluation of Similar Micro-Electrohydrodynamic Pumps with Different Scales2021

    • 著者名/発表者名
      K. Okada, M. Nishikawara, S. Naito, H. Yokoyama, and H. Yanada
    • 学会等名
      11th JFPS International Symposium on Fluid Power, OS2-05, Remote(Hakodate)
    • 国際学会
  • [学会発表] 電気流体力学コンダクションポンピングのスケール効果2021

    • 著者名/発表者名
      岡田光太朗,西川原理仁,内藤駿一,柳田秀記,横山博史
    • 学会等名
      日本伝熱学会東海支部2021年度支部講演会

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公開日: 2022-12-28  

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