実験用水槽を構築し,3次元的にディフューザーまわりの流体場を観測した.2方向からレーザーを照射し,高速度カメラで撮影を行った.水槽内の流速は相似則を用いて現地流速に対応するものとして設定した. 変分オートエンコーダによる設計値から流体場の生成ができた.変分オートエンコーダは,エンコーダとデコーダから成り立っている.例えば画像や音声などの高次元なテンソルデータを,エンコーダにより潜在空間という低次元の空間に圧縮し,デコーダにより復元する.この圧縮と復元の方法を,復元されたデータと元データとの誤差が最小になり,潜在空間上の符号化された点の分布が正規分布に近くなるように学習する.エンコーダに入力するデータを,実験により計測した海洋発電機まわりの流速場データとし,圧縮と復元を行う.上記の変分オートエンコーダの学習を通し,潜在空間という符号化された低次元な空間から,元データ(流速場データ)を生成する方法を学習できる.そして,設計値と潜在空間の関係を,深層学習アーキテクチャの一種である全結合ネットワークを用いて学習した.このように,設計値と潜在空間の関係,潜在空間と流速場の関係を学習することにより,設計値から流速場を予測するアーキテクチャを構築できた. 設計値および境界条件から流速場を予測し,海洋発電機性能を予測するアーキテクチャの基礎を構築できた.このアーキテクチャを応用すれば他の流体機械の設計問題にも応用可能である.
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