本研究では,壁面近傍の冷炎の燃焼特性に対する,燃料,壁面の化学的効果,圧力などの影響を系統的に調べた.MEMS技術を用いて調査対象の材料を壁表面に成膜することで壁面の活性を制御し,加熱壁面に燃料と酸化剤の混合気を衝突させることで,壁面安定化冷炎を形成した.冷炎中のHCHO分子の濃度変化を平面レーザ誘起蛍光法および半導体レーザ吸収分光法により計測するとともに,飛行時間型質量分析計を用いた多種化学種の同時分析を行った.その結果,金属の表面反応による低温酸化反応の抑制効果,燃料炭素鎖長の増加に伴う壁面の化学的効果の減少,燃料の種類によって異なる低温酸化反応に対する圧力の効果などを明らかにした.
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