氷の性質に関する基礎研究を進めるためには、実験の標準試料となる直径10 cm以上の無気泡単結晶氷が必要となります。日常的に目にする氷はたくさんの結晶から構成されている多結晶氷と呼ばれるものです。多結晶氷を基礎的な研究に使うと、実験で設定した条件のほかに、多結晶氷の性質そのものが実験結果に影響します。そのため、氷の基礎研究を進めるためには、標準試料を定めることが望ましいです。本研究ではこのような要望に応えるべく、天然氷の成長過程に学んだ放射冷却装置を構築し、それに高電圧パルス印加装置を組み合わせることで、氷の基礎研究に使える無気泡単結晶氷を安定的に製造する技術の開発に挑戦したものです。
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