本研究では,金属/絶縁体界面のフォノン散乱を解明することを目的とし,金属―絶縁体相転移材料であるVO2およびWをドープしたVO2(W-VO2)の成膜技術の確立とVO2単相のバルク体の熱物性の測定を行った.VO2およびW-VO2の成膜では,スパッタリング法を用いた成膜法により3桁以上抵抗変化をするVO2膜を作製できた.さらに成膜したW-VO2の相転移温度はVO2の相転移温度より低下しており,Wドープにより相転移温度が制御できることが実証できた.VO2の焼結では,理論密度に対する相対密度が95%以上の焼結体を作製できた.焼結体の潜熱,比熱,熱伝導率を測定し,VO2単相の物性を明らかにした.
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