研究課題
本研究では,次世代燃焼器への応用が期待される燃焼形態であるデトネーション燃焼の中でも液滴を含む気液二相デトネーションに関して,デトネーションと液滴の特徴的な長さスケールを用いて分析する事で伝播機構の解明とそれに影響を与える要因の特定を目指している.本年度(2021年度)は液滴の分裂を考慮したEulerian-Lagrangian手法に基づく二次元数値解析モデルを基に水液滴を含む気液二相デトネーションに対する定常一次元モデルの新規開発に成功した.水液滴や気相の諸条件から水液滴を含む気液二相デトネーションの伝播速度を決定するために用いるGeneralized CJ conditionの導出も達成できた事により,水液滴や気相の諸条件を変化させた時の気液二相デトネーションの伝播速度を予測できるようになった.水液滴を含む気液二相デトネーションの一次元定常モデルを用いて,水液滴や気相の諸条件を用いて反応誘導距離と液滴の分裂が完了する距離の関係性を変化させる事で,先行研究で確認されたように反応誘導距離よりも前方で液滴の分裂が完了する場合では気相の反応性が変化する事を定量的に示した.一方で,反応誘導距離よりも後方で液滴の分裂が完了する場合では,気相の反応性が変化せず,水液滴を含む気液二相デトネーションの一次元構造は液滴を含まない気相デトネーションと同様となる事が明らかになった.さらに,他の条件は一定として水液滴の初期液滴直径を変化させた場合に,水液滴を含む気液二相デトネーションの伝播速度は非単調に変化する事が一次元定常モデルを用いた計算から明らかになった.
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