• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

モータ・波動歯車一体型新構造アクチュエータによる脚支援機器の革新的軽量化

研究課題

研究課題/領域番号 21K14101
研究機関茨城大学

研究代表者

北山 文矢  茨城大学, 理工学研究科(工学野), 講師 (50774197)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード磁気式波動歯車 / 変形形状測定
研究実績の概要

本研究では軽量な脚支援機器の実現を目的とし,軽量な磁気式波動歯車とブラシレスモータを組み合わせたアクチュエータを開発している。磁気式波動歯車は,軽量な磁石,ヨークから成る磁気式ウェーブジェネレータ(磁気式W/G,入力軸),弾性体外歯車であるフレクススプライン(F/S,出力軸),剛体内歯車であるサーキュラスプライン(C/S,固定軸)から構成される。昨年度までに,4極磁石モデル,16極磁石モデルの2種の磁気式波動歯車を提案した。それから,F/Sの変形形状を考慮した磁気式波動歯車の解析法を構築した。4極磁石モデルの最大伝達トルクは解析で3.3Nm,実測で3.2Nmであり,16極磁石モデルの最大伝達トルクは解析で5.4Nm,実測で4.7Nmであった。これらの最大伝達トルクは脚支援機器用途としては不十分であると判断し,磁気式波動歯車の改良を今後の課題として挙げていた。
本年度は,F/Sの変形形状と最大伝達トルクの関係性を調査し,16極磁石幅拡大モデルを提案した。F/Sの周辺に5台のレーザ変形を配置し,F/Sの変形形状を測定した。F/Sは原則楕円状に変形していた。楕円変形形状の長軸の傾きと磁気式W/Gの回転角の角度差が大きくなるときに伝達トルクは上昇し,同時に変形形状は楕円から真円に近づいた。一定の角度差を超えると,伝達トルクが最大を迎え,その後急激に低下した。この際,F/Sと磁気式W/Gの磁気的結合が外れ,変形形状は真円となった。磁石幅40mmの16極磁石を有する磁気式波動歯車(16極磁石幅拡大モデル)を提案した。最大伝達トルクは解析では20Nm以上・実測では8Nmであった。このように,磁気式波動歯車のトルク伝達過程を解明し,最大伝達トルクを大幅に向上させた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

磁気式波動歯車の最大伝達トルクを実測上で8Nm,解析上で20Nm以上まで向上させた。解析上では脚支援機器に適用可能な伝達トルクが得られたものの,実測上の伝達トルクは未だ不十分である。このため,磁気式波動歯車は未だ脚支援機器に適用されていない。一方で,脚支援機器適用のための部品・モータの手配は完了している。
当初の計画では,2023年度の段階でアクチュエータを脚支援機器に適用するものとしていたため,計画よりやや遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

次年度は,磁気式波動歯車の最大伝達トルク向上のための磁石追加,磁気式波動歯車・モータの脚支援機器への実装を行う。
これまで開発してきた磁気式波動歯車では,F/Sの内側に磁石を配置する構成でF/Sの短軸側に磁力を発生させ,F/Sを変形させていた。次年度は,F/Sの外側等にも磁石を配置し,磁力発生範囲を拡大し,最大伝達トルク向上を図る。
磁気式波動歯車とモータを脚支援機器に組み込み,脚支援機器装着時の被験者の歩行挙動を実験にて評価する。磁気式波動歯車の伝達トルクが実測で十分に得られない場合には,Multi Body Dynamicasを用いて脚支援機器装着時の歩行挙動を解析上で評価する。

次年度使用額が生じた理由

脚支援機器用制御機器等を連携研究室から譲り受けたため,システム構築費用が抑えられた。これにより,次年度使用額が生じた。
一方で,磁気式波動歯車の改良が新たに必要となったため,次年度使用額で改良機を製作する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 磁気式波動歯車装置の動作特性解析2023

    • 著者名/発表者名
      遠藤 理久,北山 文矢,近藤 良
    • 雑誌名

      日本AEM学会学会誌

      巻: 31(2) ページ: 251-256

    • DOI

      10.14243/jsaem.31.251

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Multi Flexible Body Dynamics と変形変位測定による磁気式波動歯車の脱調現象の解明2023

    • 著者名/発表者名
      北山 文矢,遠藤 理久,近藤 良
    • 学会等名
      日本機械学会 Dynamics and Design Conference 2023(D&D2023)
  • [学会発表] Improvement of Transmission Torque Characteristics of Strain Wave Gear with Magnets2023

    • 著者名/発表者名
      Fumiya Kitayama, Ryou Kondo, Riku Endo
    • 学会等名
      IEEE International Magnetism Conference INTERMAG 2023
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi