研究課題/領域番号 |
21K14122
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
舛屋 賢 東京工業大学, 工学院, 助教 (60796358)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ウェアラブルロボット / 運動アシスト / 運動推定 |
研究実績の概要 |
本年度は,膝関節の屈曲時における回転中心位置の変化が最も顕著であると考え,人の膝関節の屈曲運動に焦点を絞って研究を進めた. まず,人の膝関節の屈曲運動に対する回転中心位置推定器の開発を行った.推定器の設計にあたり,回転中心位置からの距離が計測値に近く,かつ,その距離が1ステップ前のものへ近くなるように評価関数を設定した.結果として,その評価関数を最小化する回転中心位置からの距離を用いることで,推定が行える.ただし,装具ロボットの装着箇所のずれは装着時のみ生じ,人の上肢と下肢の間の相対姿勢・相対角速度が計測できるとする仮定を置いた.開発した推定器により,回転中心位置をおおよそ推定できることをシミュレーションと実験で確認した. 次に,人と装具の運動におけるずれを補償する装具制御器として,装着箇所のずれに伴って発生すると考えられる装着位置におけるせん断方向の力を最小化し,かつ人の関節運動方向の力が目標値となるような力制御器を開発した.実験により,装着位置におけるせん断方向の力最小化を考慮しない場合に比べ,せん断方向の力を低減できることを確認した. また,検証のために,人の膝関節を模したダミーロボットと膝関節装具ロボットの設計を新たに行った.ダミーロボットとして,人の膝関節に見られる靭帯構造を交差四節リンク機構で模した膝関節ロボットを設計した.また,膝関節のためのロボット装具として,力の方向制御を考える点から,2つのモータを有するロボット装具を設計した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では,人の下肢関節に対する運動推定器と装具制御器の開発を予定していたが,膝関節の回転中心位置の変化が最も顕著であると考え,本年度は膝関節に焦点を絞って研究を進めた.このため,他の下肢関節に対する推定器と制御器の検証を行えていないものの,膝関節に対して構築した推定器と制御器を拡張することで,比較的容易にそれらの開発が行えると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
運動推定器について運動中の装着箇所のずれが生じた場合へ対応できるように拡張を図るともに,他の下肢関節についても開発した推定器・制御器を拡張し,随時検証を行っていく.
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