研究課題/領域番号 |
21K14123
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
周 東博 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (70869742)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | マスタスレーブシステム / 力覚提示 / 脳波測定 / 電気刺激 / 操作デバイス |
研究実績の概要 |
電気刺激による力触覚提示力触覚同時提示デバイスを開発した.その電気刺激デバイスにたいして,電気刺激を使用する時の様々な課題を解決した. まず,電気刺激を用いた力覚提示には電極下の皮膚に余計な触覚(電気特有のびりびり感)が生じるという課題を解決した.次に,自然な感覚を提示するために力覚の自由度を増やせば増やすほどノイズとも言える触覚が増加してしまうというトレードオフが存在する.そのため力覚と触覚を組み合わせて提示する際にどの部位を刺激したらよいか明らかにした.さらに,電気刺激を用いた乾式電極特有の電気刺激の安定性に課題があり,使用者に不快な痛みを感じさせてしまう問題に対して,定電流回路と直列抵抗による安定化手法を提案した. 上記の課題の解決策を究明した結果,力触覚を同時提示する際に,掌への触覚刺激と同時に手首への力覚刺激が有効であることを明らかにし,定電流回路と分圧抵抗を用いた安定化設計の理論的指針を提案し,乾式電極を用いた電気刺激の安定化に成功した.電気刺激のノイズ,電流の不安定,または被験者が感じた痛感が脳波の測定精度に大きい影響が与える, そのため,電気刺激装置に対してそれらの課題を解決するのは次のステップを成功させる前提である. その後,電気刺激信号のパラメータを変動させ,電気刺激による被験者への力覚提示時のERPの変動を測定した.これにより,ERPに対する電気刺激信号のパラメータの影響を解明している.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
この研究で電気刺激による触力覚を提示する時の脳波を測定する.しかし,電気刺激のノイズ,電流の不安定,または被験者が感じた痛感が脳波の測定精度に大きい影響が与える, そのため,電気刺激装置に対してそれらの課題を解決するのは研究の成敗の大前提となる. それらの課題を解決し,今後の研究推進は円滑になれる保証が得た.
|
今後の研究の推進方策 |
1. 電気刺激の波形と受信側のERPとの関係の解明:電気刺激信号のパラメータを変動させ, 電気刺激による被験者への力覚提示時のERPの変動を測定する. これにより、ERPに対する電気刺激信号のパラメータの影響を解明する. 2. 各物理特性によって発生したインタラクションの力を受けた際のERPの測定:剛性, 粘性, 重量などの典型的な物理特性パラメータが既知の対象物を準備し,被験者の手を指定した姿勢でそれらの対象物と接触させた際のERPを記録する. 3. ERPと物理特性パラメータとの関係の解明:ERPの波形と,実験中に使用した作業対象物の物理特性パラメータの種類および大きさとの関係を解明する.
|
次年度使用額が生じた理由 |
海外製の脳波計を購入するが,世界中の半導体不足のため,今年度の3月中旬まで納品出来なかった.3月末まで納品したが,支払いは次年度の5月となるため,次年度使用額が生じた.
|