研究課題
若手研究
曲面形状ロボットにおいて,形状推定と制御が容易なロボットの構造と運動学理論について研究を行った.微分幾何学から出発することでリアルタイム計算にも手が届く,形状の復元手法,曲面上の1点が与えられた位置に一致する曲面の算出手法を構築した.また,円錐台アクチュエータを25個有したS-isothermic曲面形状ロボットの具現化,平面内における等角変形の実現,3種のロボットに対する逆運動学アルゴリズムの構築を行った.特に,本研究で考案した区分的に平均曲率一定な曲面モデルは有用であると期待される.
ロボット工学
曲面は家具,衣服,建築物や生物といった多くの物体の表層に位置し「かたち」の根幹をなしている.そのため,富んだ表現力を持つ曲面形状ロボットは工学分野での利用にとどまらず,様々な学問の個別の研究対象もしくは横断的な研究を促進する活性剤となると考えられる.しかし,形の制御を実現するうえで,形状推定にかかる計算量や制御・運動学理論の複雑さが問題であった.本研究では,この問題を双等温曲面や平均曲率一定曲面の活用により解決した.曲面形状ロボットに関する研究の重要な方向性を示すことができたと考えられる.