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2021 年度 実施状況報告書

群知能による小型クワッドロータ群の未知環境探索

研究課題

研究課題/領域番号 21K14132
研究機関関西大学

研究代表者

本仲 君子  関西大学, システム理工学部, 助教 (70781772)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード群知能 / 動作計画 / UAV
研究実績の概要

本研究課題では,群知能を小型クワッドロータ群に適用することで,完全自律飛行による屋内未知環境での探索タスクの遂行を目的としている.初年度である2021年度は,4台の小型クワッドロータが編隊を組んで移動することを想定し,スパース合意制御を用いて自律分散的に移動する方法について動力学シミュレーションおよび実機実験により検証を行った.その結果,管制塔を用いることなく4台の機体が合意を達成し,同じ状態に到達可能であることが確認された.また,合意制御では合意達成時の目標状態を指定できないため,リーダー・フォロワー型の合意制御を導入し,操作者が任意に操縦するリーダーに残り3台のクワッドロータがフォーメーションを保ったまま移動可能であることをシミュレーションにより確認した.
また,屋内環境においてクワッドロータに搭載されたカメラから得られた画像を物体検出器YOLOv3で処理し,機体の状態と組み合わせることによって対象物体の位置を推定して地図上にマッピングするシステムを構築した.実機実験の結果,指定した物体の位置をリアルタイムに地図上にマッピング可能であることが確認された.ただし,特定の実験環境下での確認に留まっており,広範囲の探索に向けて更にアルゴリズムを拡張する必要がある.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2021年度は当初の予定通り,複数台の小型クワッドロータに対してスパース合意制御を適用し,自律分散的に移動させる方法について動力学シミュレーションおよび実機実験による検証を行った.更に,任意の目標位置に群れを移動させることを想定し,リーダー・フォロワー合意制御アルゴリズムについても実装,検証を行った.また,クワッドロータに搭載されたカメラから得られた画像を物体検出器YOLOv3で処理し,機体の状態と組み合わせることによって対象物体の位置を推定して地図上にマッピングするシステムを構築した.以上より,研究はおおむね順調に進展していると考える.

今後の研究の推進方策

今後は,探索の結果発見した物体に対してカルマンフィルタに群知能の分散合意制御の概念を組み込んだ合意型カルマンフィルタを適用することで,推定精度を向上させることを考える.また,指定した物体の位置をマッピングするアルゴリズムにおいては,1台のクワッドロータで検証を行っていたため,複数台のクワッドロータで分散被覆制御を行うことにより環境全体を探索する手法について模索する.

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍における学会計画の変更(特に国際会議のオンライン化)により,使用額が当初予定より少なかった.余剰分は執筆予定の論文掲載費,及び予備のクワッドロータ購入に充てる予定である.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] Statistical-Mechanical Analysis of Adaptive Volterra Filter with the LMS Algorithm2021

    • 著者名/発表者名
      MOTONAKA Kimiko、KOSEKI Tomoya、KAJIKAWA Yoshinobu、MIYOSHI Seiji
    • 雑誌名

      IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences

      巻: E104.A ページ: 1665~1674

    • DOI

      10.1587/transfun.2021EAP1013

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] BVCを用いたクワッドロータの障害物回避手法の検討2021

    • 著者名/発表者名
      本仲 君子,三好 誠司
    • 雑誌名

      日本ロボット学会誌

      巻: 39 ページ: 459~462

    • DOI

      10.7210/jrsj.39.459

    • 査読あり
  • [学会発表] Application of maximum hands-off distributed control to a quadrotor group2021

    • 著者名/発表者名
      Kimiko Motonaka, Takuya Watanabe, Yufwan Kwon, Masaski Nagahara, and Seiji Miyoshi,
    • 学会等名
      IEEE International Conference on Mechatronics and Automation (IEEE ICMA 2021)
    • 国際学会
  • [学会発表] Statistical-Mechanical Analysis of Adaptive Volterra Filter for Time-Varying Unknown System2021

    • 著者名/発表者名
      Koyo Kugiyama, Kimiko Motonaka, Yoshinobu Kajikawa, and Seiji Miyoshi,
    • 学会等名
      Asia-Pacific Signal and Information Processing Association Annual Summit and Conference 2021 (APSIPA ASC 2021)
    • 国際学会
  • [学会発表] 2021 International Joint Conference on Neural Networks (IJCNN2021)2021

    • 著者名/発表者名
      Yasuaki Kuroe, Seiji Miyoshi, Hiroomi Hikawa, Hidetaka Ito, Kimiko Motonaka, and Yutaka Maeda,
    • 学会等名
      A Synthesis Method of Spiking Neural Oscillators with Considering Asymptotic Stability
    • 国際学会
  • [学会発表] ドライデンモデルによる風外乱環境下におけるクワッドロータのモデル予測経路積分制御2021

    • 著者名/発表者名
      塩見将貴,本仲君子,三好誠司
    • 学会等名
      第22回計測自動制御学会 システムインテグレーション部門講演会
  • [学会発表] 時変な未知システムに対する適応ボルテラフィルタの統計力学的解析,2021

    • 著者名/発表者名
      久木山航洋,本仲君子,梶川嘉延,三好誠司
    • 学会等名
      信号処理シンポジウム
  • [学会発表] 周辺情報のみを用いたBVCによるクワッドロータの障害物回避2021

    • 著者名/発表者名
      本仲君子,三好誠司
    • 学会等名
      第39回日本ロボット学会学術講演会

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公開日: 2022-12-28  

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