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2023 年度 実施状況報告書

群知能による小型クワッドロータ群の未知環境探索

研究課題

研究課題/領域番号 21K14132
研究機関関西大学

研究代表者

本仲 君子  関西大学, システム理工学部, 准教授 (70781772)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード群飛行 / 障害物回避 / UAV
研究実績の概要

本研究課題では,群知能を小型クワッドロータ群に適用することで,完全自律飛行による屋内未知環境での探索タスクの遂行を目的としている.2023年度は,
5台のクワッドロータにリーダー・フォロワー制御を適用した際に,操作者が任意に操縦するリーダーに対して,残り4台のクワッドロータが,リーダーとの相対位置情報で指定された任意のフォーメーションで追従可能となるようアルゴリズムを拡張した.また,屋内を探索する際に部屋の入口などの狭い箇所(チョークポイント)を通過する必要があることを想定し,LiDARでチョークポイントを検知した場合にはフォーメーションを調整することで衝突することなく通り抜けが可能であることをCoppeliaSimによる動力学シミュレーションを通して確認した.
また,前年度に引き続き,群れ全体の経路計画を行うことを想定し,RRT (Rapidly-exploring Random Tree)の派生アルゴリズムを用いた経路計画の導入について検討した.2022年度はRRT*FNDを用いることで,4台のクワッドロータが同じ環境を移動する状況においても相互衝突することなく移動可能であることを確認したが,機体が他の機体の軌道に侵入するたびに経路の再計画が必要であるというデメリットがあった.これに対し,今年度はSpace-Time RRT*を導入し,機体位置の時間変化を考慮した経路計画を行うことで,経路の再計画を行うことなく4台のクワッドロータが同じ環境を移動可能であることを確認した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は,当初より予定していた小型クワッドロータ群の完全自律編隊飛行に向け,群れが動作する際に必要な障害物回避の手法としてボロノイ分割に基づく衝突回避手法を適用した.このとき,従来手法では障害物や他の機体位置が既知であることを想定していたが,本研究では機体に搭載されたLiDARで得た周辺情報のみを用いて移動可能であることをシミュレーションにより示した.また,群れ全体の経路計画手法として2022年度に用いていたRRT*FNDの発展形であるSpace-Time RRT*を導入することで,機体位置の時間変化を考慮した経路計画を行うことで,経路の再計画を行うことなく4台のクワッドロータが同じ環境を移動可能であることを確認した.以上より,研究はおおむね順調に進展していると考える.

今後の研究の推進方策

本年度は,小型クワッドロータ群による未知環境探索タスクの遂行を実現するための分散被覆制御について研究を進める予定である.具体的には,機体に搭載したLiDARやカメラにより得られた周辺情報を近くの機体と情報交換しながら探索を進めるアルゴリズムについて,まずはシミュレーション上で実装する.また,予期せぬ移動障害物への対応についても検討し,カメラ画像のみを用いた移動障害物回避の実機実装を行う予定である.

次年度使用額が生じた理由

論文掲載費用として計上していたが,リジェクトとなったため次年度使用額が生じた.繰り越した分は次年度に再投稿し,掲載費として使用する予定である.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Study on the computation time and avoidance performance with respect to number of LiDAR data points for mutual collision avoidance of quadrotors using BVC2023

    • 著者名/発表者名
      Shosuke Inoue, Kimiko Motonaka, and Seiji Miyoshi
    • 学会等名
      The 2023 IEEE International Conference on Robotics and Biomimetics (IEEE ROBIO 2023)
    • 国際学会
  • [学会発表] Implementation of mutual collision avoidance algorithm for leader-follower control of multiple quadrotors2023

    • 著者名/発表者名
      Kimiko Motonaka, Shota Inada, and Seiji Miyoshi
    • 学会等名
      Society of Instrument and Control Engineers (SICE Annual Conf. 2023),
    • 国際学会
  • [学会発表] Collision avoidance for multiple quadrotors in dynamic environments based on the Voronoi division calculated from local information2023

    • 著者名/発表者名
      Kimiko Motonaka and Seiji Miyoshi
    • 学会等名
      The 22nd World Congress of the International Federation of Automatic Control (IFAC World Congress 2023)
  • [学会発表] 動的環境におけるST-RRT*を用いた複数のUAVの経路計画2023

    • 著者名/発表者名
      岡田健吾,本仲君子,三好誠司
    • 学会等名
      第24回計測自動制御学会 システムインテグレーション部門講演会(SI 2023)
  • [学会発表] モンテカルロモデル予測制御によるクワッドロータの3次元衝突回避性能の改善2023

    • 著者名/発表者名
      久保田景,本仲君子,三好誠司
    • 学会等名
      第24回計測自動制御学会 システムインテグレーション部門講演会(SI 2023)
  • [学会発表] センサデータを用いたボロノイ分割によるUAVの3次元衝突回避2023

    • 著者名/発表者名
      本仲君子,三好誠司
    • 学会等名
      第41回 日本ロボット学会学術講演会,(RSJ 2023)
  • [学会発表] 複数のUAVが飛行する動的環境におけるRRT*FNDを用いた経路計画2023

    • 著者名/発表者名
      岡田健吾,本仲君子,三好誠司
    • 学会等名
      ロボティクス・メカトロニクス講演会 2023,(ROBOMECH 2023)
  • [学会発表] ボロノイ分割を用いた壁状障害物の回避のための母点生成法の提案2023

    • 著者名/発表者名
      井上翔介,本仲君子,三好誠司
    • 学会等名
      ロボティクス・メカトロニクス講演会 2023,(ROBOMECH 2023)
  • [学会発表] クワッドロータのモデル予測経路積分制御における性能改善手法の提案2023

    • 著者名/発表者名
      久保田景,本仲君子,三好誠司
    • 学会等名
      ロボティクス・メカトロニクス講演会 2023,(ROBOMECH 2023)

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公開日: 2024-12-25  

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