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2023 年度 実施状況報告書

上水道を利用した電源不要な水圧式駆動源の開発とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 21K14133
研究機関岡山理科大学

研究代表者

小林 亘  岡山理科大学, 情報理工学部, 講師 (00780389)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード純水圧駆動システム / 流体発振器 / フルイディクス / CFD / SAM
研究実績の概要

昨年度は水圧式増圧器の改良について検討し、電磁弁などの電気駆動での切り替えから純水圧駆動での切り替えを実現するための流体スイッチング素子を組み合わせた流体発振器の設計について検討した。具体的には、OpenFOAMと呼ばれる熱流体解析ソフトを用いて切り替え原理の確認および切り替え可能な設計について検討し、これらの結果に基づいた試作を行った。
今年度は上記の結果に基づき、流体発振器の設計パラメータが発振周期や圧力・流速変動に与える影響に関して検証を行った。流体発振器を構成する重要な要素としてスイッチング素子が挙げられるが、スイッチング素子の設計では側壁傾斜角、オフセット距離、スプリット距離といった設計パラメータが前述の発振器の性能に大きく影響することが想定される。そこで、上記を検証可能なシミュレーションモデルを作成し、これを用いてパラメータ変動が与える影響について検証した。一方で、発振器の構成にはスイッチング素子に加えて、タンクや絞りが必要となっている。しかしながら、実用上はこれらを接続する配管や継手なども使用しなければならず、解析により得られた最適設計を再現することが難しい。フルイディクスの特性上少しの寸法のずれが発振特性に与える影響は大きく、これを解決する方法として一体型流体発振器について検討した。タンクや絞りに加えて、これらを接続する配管や継手部等も3Dプリンタを利用して一体成形することで解析モデルで得られた特性を比較的容易に実現できる流体発振器が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

増圧器の切り替えを実現する流体スイッチング素子および流体発振器の解析は一定の成果が得られたと考えられるが、一方でこれらを組み込んだ純水圧駆動システムの実現には至らなかった。これは、流体発振器単体での駆動が実現されたものの、負荷が接続された際にその発振特性が大きく変わってしまうことが原因である。そのため、今後はシステム全体での設計について検討する必要がある。

今後の研究の推進方策

上述のように必要となる基礎的な研究成果が得られつつあるが、今年度はこれらを統合したシステムとして研究を進めていく必要がある。流体発振器としての基本特性は概ね明らかになったため、この知見を生かしてシステム全体について検証していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

所属する学科に加工機が複数整備されたため加工・製作の環境が大幅に改善されたことにより、次年度使用額に差が生じた。一方で、より複雑な解析の必要性も明らかになり現有のPCでの処理が研究進度に影響するため、上記の差額については新たな解析用PCの購入に充てる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Development of digital type tap-water drive flow control valve2024

    • 著者名/発表者名
      Hamada Ryouichi, Kobayashi Wataru, Yokota Masashi, Atogami Hiroki
    • 学会等名
      14th International Fluid Power COnference
    • 国際学会
  • [学会発表] デジタル式水圧流量調整弁の開発2023

    • 著者名/発表者名
      濱田凌一、小林亘、横田雅司
    • 学会等名
      2023年春季フルードパワーシステム講演会
  • [学会発表] 流体発振器を利用した水道水圧増圧器の開発2023

    • 著者名/発表者名
      吉田隆斗、小林亘、横田雅司
    • 学会等名
      2023年春季フルードパワーシステム講演会
  • [学会発表] フィードバック型流体発振器の開発と水道水圧用増圧器への適用2023

    • 著者名/発表者名
      吉田隆斗、小林亘、横田雅司
    • 学会等名
      2023年秋季フルードパワーシステム講演会

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公開日: 2024-12-25  

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