本研究では可変磁束磁石と非接触給電を組み合わせた駆動システムを提案し,基礎的な評価としてC型コアを用いた非接触給電による磁石の増減磁を行った。得られた結論は以下の3点である。①Nd-Fe-B系の可変磁束磁石を活用することで低速,大トルクの出力と高速,小トルクの効率の向上が可能である②短時間大電力の電力伝送には負荷のインダクタンス値が大きな影響を与えること③磁気回路の飽和によるインダクタンスの変化による電流の遅れを考慮した電力伝送の制御が必要である。 さらにロータ内に複数の可変磁石モジュールを設置した可変磁束磁石モータの設計及び製作を実施した。C型コアとは漏れ時速が異なるため、一部インダクタンス等の特性が異なるものの、増減磁特性はC型コアと同様の傾向を示していた。非接触瞬時大電力伝送システム装置によりロータ内の可変磁石モジュールに対して増磁電力を伝送することも実施した。さらにモータベンチでのモータとしての特性評価も実施しており、所望の増減磁ができていることも確認できている。本研究では高効率化に主眼を置いていたが、本研究成果を活用することによりモータの他のパラメータも制御可能であることが明らかになったため、本研究成果には発展性があることも明らかになった。以上の通り、本研究計画はすべて実施完了できている。 本研究成果を元にして1件の学会発表を行っており、今後論文誌も投稿予定である。さらに本研究成果を発展させた共同研究を企業と実施する予定である。
|