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2021 年度 実施状況報告書

ヘラ絞りにおける職人技術再現のための力触覚に基づいたシステム開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K14140
研究機関岐阜大学

研究代表者

八田 禎之  岐阜大学, 航空宇宙生産技術開発センター, 特任助教 (80883305)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワードハプティクス / バイラテラル制御 / 動作解析 / 加工装置
研究実績の概要

将来的な航空機の需要増加が予測される一方,航空機の生産を支えるヘラ絞りの職人が減少しており,職人の技術を再現可能な装置の開発は緊急の課題と言える。しかしながら,ヘラ絞りは力触覚に基づいた力及び位置の制御が必要であり,位置制御主体である従来の自動スピンドル加工装置とは異なる制御技術となる。そこで,本研究は「ヘラ絞りにおける職人の技術を自動装置によって再現可能であるか」を本研究課題の核心をなす学術的「問い」とした。本研究では,ヘラ絞りにおける実際のヘラ動作を計測するためのマスタ・スレーブシステム型ヘラ絞り装置を開発する。そして,その装置を用いてヘラ絞りにおける実際のヘラ動作を解析することにより,ヘラ絞りにおける職人の技術を再現するために必要である力触覚に基づいた力及び位置の制御を確立することを目的として本研究を遂行する。
本年度はマスタ・スレーブシステム型ヘラ絞り装置の開発を行った。実際の作業現場を訪問し,実際に使用されている旋盤及びヘラ等の装置,それらの装置を使用した作業工程の調査を行い,装置開発に必要な設計要件をまとめた。また,作業者の動作のモーションキャプチャによる計測,作業者の重心移動の計測等が将来的に行えるように,拡張性を考慮して設計要件をまとめた。
まとめた要件に基づいてマスタ・スレーブシステム型ヘラ絞り装置を設計した。特に,研究者の有するバイラテラル制御の知識に基づいて装置の設計要件を定め,それを実現可能な装置として開発した。スバイラテラル制御に必要なダイレクトドライブ性を有しつつ,大きな力を発生可能とするパラレルリンク構造のヘラ絞り装置を開発した。また同時にマスタ・スレーブシステム型ヘラ絞り装置の各モータを動作させるための電気回路の設計製作を行い,機械電気の両面において設計製作を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2021年度では,マスタ・スレーブシステム型ヘラ絞り装置の設計製作まで行った後に,ヘラ絞りのデータ収集を開始する予定であった。しかしながら,コロナ等による昨今の時世により製作部品の納期が延び,備品がそろうまで時間を要し,装置製作までとなった。ただ,装置製作を終えたため,2022年度からデータ収集を開始可能な環境となった。

今後の研究の推進方策

2022年度は上述したようにヘラ絞り時の動作データの収集及び解析を行う。収集を行っていく上で,装置の改良点を洗い出して改良する。動作データとして計測された力触覚,ヘラの動作,素材の種類,加工形状及び加工精度の相関関係を求める。これにより,ヘラ絞りにおいて職人の技術を再現するために重要なヘラ動作を解明する。また,この相関関係に基づいて力触覚に基づく力及び位置制御モデルを確立する。そして,確立した力及び位置制御モデルの有効性を本ヘラ絞り装置で検証する。

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公開日: 2022-12-28  

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