磁界強度マップ推定方式ならびに振動アクチュエータ用いた錯覚力提示方式,および,磁界制御方式の基礎的検討を行った. 磁界強度マップ推定方式においては,受電端末の位置情報と受信電力の推移に基づき,クリギング等を用いた磁界強度マップ構築方式を検討した.この磁界強度マップは発生させる力の向きを決めるためのものである.受電端末の位置情報と受信電力の推移に関する測定点数が十分にあれば高精度な磁界強度マップを構築可能であり,送電効率の改善が最大となる向きの推定が可能である.給電開始時には十分な測定点が得られず高精度な磁界強度マップの構築は困難であったものの,送電効率を改善する方向については給電開始タイミング前後の位置および磁界強度から推定可能であることが本年度の検討より分かった. 振動アクチュエータ用いた錯覚力提示方式については,振動アクチュエータを用いて検証システムを構築し,ユーザに牽引力を錯覚させることができることを実験的に確認した. 磁界制御方式については,磁界強度および磁気エネルギに関する理論的検討を実施するとともに,複数送電器を用いてそれらから生じる磁界が強め合う/弱め合うための磁界制御方式を検討し,その有効性を実験により確かめた.磁界制御方式については仮想的な機械的接続機構のみならず,漏洩磁界低減機構へも応用可能であり,その有効性についても電磁界シミュレーションおよび実験によって検討を行った.
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