物理レイヤ暗号は、衛星-地上局間のレーザ通信のように指向性が高く視野が確保でき、盗聴者の盗聴能力に合理的な制約を課すことができる状況下において、高速・長距離な鍵共有を可能とする技術である。衛星による安心・安全なネットワークのグローバル化に資する技術であると期待される一方で、その衛星通信への応用には検討すべき事項が山積している。そこで、本課題では、より一般的な盗聴方法に対しても安全である新しい鍵共有技術の開発、有限の送信パルス数に対する性能評価方法の開拓、地上ビル間量子信号伝送実験から得られたデータに基づく性能検証、開発中の衛星搭載用装置を想定した静止軌道-地上間鍵共有の実現性検討に取り組んだ。
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