本研究では、高濃度散乱媒質中での環状光伝搬により生成された非回折光の自己修復特性を利用し、散乱媒質内の物体検知を実現することを目的とする。先行研究では、環状光の自己干渉効果によって生成された非回折光は、ガウス光の伝搬に比べて回折や媒質の揺らぎを抑えるという顕著な特性が現れた。生体組織の光学濃度に近い散乱媒質においても非回折光を生成でき、非回折光の生成特性を解明した。任意な環境下で非回折光の生成条件を推定することが実現できた。本研究では、非回折光の自己修復特性を、生体組織に近い濃度域である散乱媒質中で実現させ、媒質中の物体検出を理論的アプローチと実験による実証にて実現することを目的とする。
|