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2021 年度 実施状況報告書

多波長レーザーを用いたマルチスケール3次元動的計測システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K14175
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

夏 鵬  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (80768458)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワードデジタルホログラフィ / 3次元計測 / 位相シフト法
研究実績の概要

本研究では、校正型位相シフトデジタルホログラフィを基盤技術として、波長が異なる複数のレーザーを用いて、奥行き方向にマルチスケールの高精度3次元動的計測システムを開発する。初年度、波長がそれぞれ473nmと532nmのレーザー及び解像度2448 X 2048のCMOSカメラと関連光学部品を導入し、空間分割記録を利用して一回の撮影で、多波長の位相シフト量を検出するための縞模様および物体情報が含まれたホログラムを同時に記録する計測システムを試作した。試作システムにより、試験片の変形の動的計測を行い、不連続物体に対して、奥行方向に最大2.1μmの計測範囲を実現した。単一ピエゾ素子で多波長の位相を同時にシフトすることで、システムの高効率化を確認した。また、多波長デジタルホログラフィに対して、記録したホログラムに各波長の再生像の位置とサイズが異なり、各波長の物体像の自動抽出とサイズ調整アルゴリズムを開発し、計算機シミュレーションで有効性を確認した(Applied Optics, 2022に掲載)。
さらに、応用展開として加熱プレートを用いて市販されている電子デバイス基板を160度まで加熱して、2波長の熱変形計測を検討した。しかしながら、電子デバイスを100度以上加熱する際に、変形量が大きくなり再生した位相差画像にスペックルノイズが非常に強いという問題があった。次年度、短時間フーリエ変換などのような信号処理手法によるスペックルノイズを低減する課題を検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に、波長がそれぞれ473nmと532nmのレーザーを導入し、提案した多波長レーザーを用いたマルチスケール3次元動的計測システムの試作を完成した。試作システムにより、試験片の変形の動的計測を行い、不連続物体に対して、奥行方向に最大2.1μmの計測範囲を実現した。さらに、応用展開として加熱プレートを用いて市販されている電子デバイス基板を160度まで加熱して、2波長の熱変形計測を検討した。従来の多波長システムより、提案システムの高効率化を確認した。以上の成果が得られていることにより、本研究課題はおおむね順調に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

最終年度ではこれまでの研究成果を踏まえて、引き続き次の2項目の応用研究を実施し、奥行き方向にマルチスケールの高精度3次元動的計測システムへの応用を展開する。
1. 加熱プレートを用いて電子デバイス基板を100度以上加熱し、短時間フーリエ変換法によるスペックルノイズを低減して高精度な位相変位分布を取得する。
2.542nmレーザーを追加して、奥行方向の計測範囲をさらに広げるシステムを試作し、金属材料の変形計測を実施する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Dynamic deformation measurement of dual-wavelength arbitrary phase-shifting digital holography with automatic phase-shift detection2021

    • 著者名/発表者名
      Xia Peng、Ri Shien、Wang Qinghua
    • 雑誌名

      Applied Optics

      巻: 61 ページ: B103~B103

    • DOI

      10.1364/AO.440048

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      https://unit.aist.go.jp/rima/ndm/research/#archive-2021

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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