研究課題
本研究では、医療・食品、バイオテクノロジー、ナノ物質・材料等の幅広い分野で行われている微小力計測の信頼性を向上させるため、キッブルバランス法の原理を応用した精密な微小力計測技術の開発を目指す。キッブルバランス法は、磁場に置かれている導体に電流を流した際の電気的仕事率と、ある速度で導体を動かした際の機械的仕事率を釣り合わせる手法である。前年度は、研究代表者はキッブルバランス法の原理を応用できる新たな装置の構造を提案し、従来のキッブルバランスと違い、支点を用いず摩擦が極めて少ない、磁石の直線運動型の電磁力式微小力発生装置(本体の機械システム)を構築した。本装置は、二つの測定モードがあり、それぞれ誘導起電力測定モード(動的モード)と力発生モード(静的モード)と称す。本年度は本研究の推進にあたって、下記に述べる項目を実施した。①前年度構築した直線運動型の電磁力式微小力発生装置をより完成し、計測制御システムを構築するための電気部品の調達や微小力計に負荷するためのジグ等の機械部品の制作をした。②誘導起電力測定モードにおいて、磁石の直線運動機構の制御プログラム(PLC制御)を考案して作成した。磁石の位置、負荷枠の位置と誘導起電力測定を同時に測定できる高精度なシステムを別途調達し、計測制御用プログラムを開発した。③力発生モードにおいては、微小力計に精密な力を負荷するための微小力昇降機構の計測制御プログラムを開発した。測定に必要な微小力計を別途整備した。本研究で開発した装置と微小力計を用い、誘導起電力測定モードと力発生モードの二つの計測実験を行い、精密な微小力の発生・計測が可能となる。
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Proceedings of IMEKO 24th TC3, 14th TC5, 6th TC16 and 5th TC22 International Conference
巻: 1 ページ: 1-3
10.21014/tc3-2022.059
https://unit.aist.go.jp/nmij/public/events/seika/2022/pdf/poster.pdf#view=Fit